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位置ゲーというジャンルを築いた
コロプラのクリエイターたちが語る、
現実とスマートフォンが融合する
ゲーム体験を創造する楽しみとは

  1. 坂本 佑

    大手ゲームメーカーにエンジニアとして新卒入社し、プランナーに転向。アミューズメント系のゲーム開発に携わった後、モバイルゲームの開発に従事。2013年にコロプラに中途入社。2020年に取締役に就任し、エンターテインメント本部 本部長を兼任。

  2. 大森 一磨

    2014年にコロプラに入社。『白猫テニス』『白猫プロジェクト』の運用に携わり、現在は『ドラゴンクエストウォーク』でディレクターを担当。
    エンターテインメント本部 B2スタジオ部長を務める。

"位置ゲー"とはスマートフォンなど、端末の位置登録情報を利用したゲーム。いわゆるゲーム機、スマートフォンなどのデバイスとプレイヤーがいれば成り立つジャンルではなく、さらに"移動"、"地域性"などをプラスして現実に密着した遊びを主としています。

コロプラは位置情報を利用した元祖"位置ゲー"『コロニーな生活』、近年同ジャンル最大のヒット作である『ドラゴンクエストウォーク』(以下、『DQウォーク』)など、"位置ゲー"を数多く創出し、その魅力をプレイヤーの方々に伝えています。
今回は、ゲームというジャンルの中でも独特のポジションにある"位置ゲー"に関しての魅力、そしてコロプラだけが知るノウハウなど、トップクリエイターたちにお話を聞いてみました。

位置情報を使用したゲームは近年『ポケモンGO』、そしてコロプラが開発している『DQウォーク』と、ゲームファンのみならず、老若男女さまざまな層を虜にしていますが、その魅力はどこにあるのでしょうか。

大森 一言で言えば、「生活に紐付く」ところです。
半分日常、半分ゲームのミックス感といえばいいでしょうか。他ジャンルのタイトルは、そのゲームの世界の中にどれだけ集中させるか、熱中させるかがポイントになるんですが、位置ゲーはプレイヤーがいる場所の方に遊びが紐づいています。現実と非現実の両面が融合した楽しさがあるというのが最大の特徴ですね。


坂本 私は「他ジャンルのゲームとは違う習慣になる」というところですね。
歩いているときにゲームをするというのは、ハードルが高いのですが位置ゲーはそれが遊ぶタイミングになっていたりと、体験がまったく異なります。そこに独自の魅力、他では味わえない楽しさがあると考えています。

でも、他ジャンルにはない"移動"はものすごく面倒なことでもあるんです。
『コロニーな生活』の時代から、どうしたらゲームを継続してプレイしていただけるのか、移動をしていただけるのか、成功と失敗を繰り返しながらノウハウとして積み上げてきました。遠くへ旅をする魅力・恩恵もありますが、日々のルーティンとしての移動をゲーム体験にするというのもポイントです。また、都心部、地方では、当然プレイヤーの方々の動き方が異なります。どうやったら楽しく移動してくれるのか、人が集まってくれるのか。その運用の経験は『DQウォーク』にも集大成として生かされていて、それが多くのプレイヤーの方々に支持されている一因であるとも思っています。


大森 位置ゲー以外のタイトルにも数多く携わってきましたが、他ジャンルとの違いという点で一番大きいのは、「現実が遊びに影響してくる」ことです。
そしてプランナーとしては、現実を逆手に取った遊びを作れるというのが魅力です。他ジャンルのタイトルではありえない企画が成立するので、プランナーとしてもアイデアの出し甲斐があります。

たとえば、『DQウォーク』でも行った企画なのですが、現実に存在する水族館や駅を巡る。これってシンプルですが、普通のゲームではほぼできない体験です。
普段からアウトドアでさまざまなエンタメスポットで遊ぶ人にとっては特別感はないのかもしれませんが、普段あまり郊外や、遠くへ遊ぶといった機会が多くない人にとっては、この位置ゲーが新しい体験のきっかけになります。また、「イベントやってるし、あの動物園でも行ってみますか。」みたいに、普段の趣味嗜好とは違ったスポットへ行くきっかけにもなります。プレイヤーがゲームから飛び出して、日常とは違う体験をする。そのことに関われるというのは魅力です。

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位置ゲーはリアルとの接点が強いからこそ、他ジャンルのタイトルとは異なった点に注意を払う必要があると思いますが、どんなことに苦労しましたか。

坂本 シンプルに天気でしょうか。雨は外に出る意欲が失われるし、台風はそもそも外に出られません。また、いまだその影響は根深い感染症にも大きな影響を受けました。
特に感染症に関しては、「移動を主目的とした位置ゲーなのに、自宅だけで楽しめる仕組みを作る」という部分は本当に苦戦しましたね。


大森 そうですね。また"世論"にも気をつけてプランニングする必要も感じています。
以前、位置情報を利用したタイトルで、社会問題になったこともあります。ゲームという、楽しむための体験にネガティブな感情、要素をプレイヤーに感じさせないことを重視し、内容にはかなり注意を払っています。

『DQウォーク』ではプレイヤー同士が一緒にバトルする"メガモン"というイベントがあります。本来、ある程度出現位置に接近して参加するバトルなのですが、感染症が大流行している当時はプレイヤー同士が密集しないように、どこからでも参加できるなど、情勢に応じて変化させていました。

また、人が集まりすぎると、その地域の日常を破壊する可能性があります。イベントを行うときは、その目標地点に人がとどまり続けないような工夫も行っています。目的地についたら、次は逆にそこからすぐに移動したくなるような仕掛けも合わせて考えるといった感じです。

夏は暑い、冬は寒いといった気候もシンプルに難しい要因のひとつです。日本は地域によって気候が大きく異なります。北の冬は豪雪ですし、地域によって移動ひとつとっても条件が違うのは悩みどころです。地域ごとに遊び方や達成難度に極端な差をつけないというのは、ゲームバランス的にも気を使っているポイントです。

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運用中、ユーザーさまからはどんな反応がありますか。

大森 歩く・移動という部分とゲームバランスの両面の反応をいただくので、純粋に2倍のミッションをいただいている感はありますね。
「こんなに移動させないでください!」など、移動範囲や距離に関してのご要望・叱咤も数多くいただきます。ゲームって、ある程度やり込みたい方、気軽にプレイしたい方がいらっしゃいますので、そのプレイ量、移動量の限界の差にお叱りをいただくことは多いです。

逆に他のジャンルでは得られない意見として、「DQウォークのイベントで初めて○○という場所に行きました!」という観光的なご報告をいただくことは嬉しいですね。例えば、温泉や動物園、水族館のようなものです。運営としても、日常が冒険になっているという部分を感じられるので、そのような楽しみ方をしていただくとありがたいです。

以前、「この城わが旅!日本100名城®キャンペーン(※)」というお城にまつわるキャンペーンを開催したことがあります。このイベントでは『DQウォーク』がきっかけで全国から各お城に注目が集まった影響もあって地元の方々から、また来年もイベントを企画して欲しいというお言葉をいただいたこともあります。


※...全国の名城約100箇所に限定スポットが登場したイベント

位置ゲーというジャンルについて、コロプラはどのような立ち位置にあるのでしょうか。

坂本 国内では「コロプラがイメージを築いたジャンル」、という自負があります。そして、コロプラにとっては祖業なので、一本の軸として今後もさまざまなタイトルを創出していきたいです。今でこそコロプラは『白猫プロジェクト』『黒猫のウィズ』シリーズというイメージがありますが、それ以前は物産展などにも力を入れていて、地方創生を強く打ち出す雰囲気がありました。

位置ゲーでこれまで国内でヒットしたタイトルは、元祖である『コロニーな生活』、そして『ポケモンGO』、『DQウォーク』といってもいいと思います。これまで数多く創出されてきたゲームタイトルの中から両手で数えられるほどしかないので、基本的にノウハウを持っている企業が少ないジャンルです。そのため、ユーザー行動などコロプラが持っているノウハウを理解していただくことがなかなか難しい部分もあります。
スクウェア・エニックス社さんにも『DQウォーク』で実現したいことへの強い想いがありましたし、どこまで実現できるかの擦り合わせはかなり苦心もした記憶があります。


大森 移動や地域など、現実が関連するところもあって位置ゲーは、運営し続けること自体の難易度が高いジャンルですよね。


坂本 フィーチャーフォン時代から位置情報を利用していたタイトルは数多く出ていましたが、その中で成功しているのは、コロプラの『コロニーな生活』だけなので、それだけコロプラには位置ゲー独自のノウハウがあるということでもあります。

そんな位置ゲー独自のノウハウを持つコロプラですが、これまで運用した中で、このジャンルでしかできない会心の企画がありましたら教えてください。

大森 大きいイベントだと「ほこら」がひとつ挙げられます。このイベントはランキングタイプの順位を競うイベントで、フィールドにある挑戦スポットをしらみ潰しに攻略してスコアを稼ぐというものなのですが、プレイヤーの方々の熱量がものすごくて。

『ドラゴンクエスト』シリーズはRPGとして基本的にはひとりで遊ぶのですが、この『DQウォーク』はスマートフォンのタイトルということもあり、さまざまな方と深く触れ合えるということも魅力だったんでしょうか。「関東一円のすべてのほこらで1位を獲りました」なんてプレイヤーの方もいらっしゃったりと、移動することでしか生まれない記録をプレイヤーの方々が率先して実行に移していただけるという企画が出せたというのは一つの経験になってます。


坂本 ほこらも最初はありがたいご意見を数多くいただきましたが、あのイベントで得たものはたくさんありましたね。目的地と違ってほこらはダンジョン的なイメージがあり、プレイヤーの方々がダンジョンを移動するという冒険感覚を得られたのではないかと思います。


大森 そうですね。「ご当地スポット」というものが各都道府県ごとにあるのですが、関東一円だと東京、横浜、大宮、高崎、宇都宮、千葉と6箇所あるんですが、それを歩いて回った方まで登場しました。普段の生活では、決して考えないであろう行動だと思いますが、達成してみたいと思っていただく動機になった。これは他のジャンルではあまりできないことですよね。

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今後、位置ゲーで実現したいこと、挑戦したいこと、課題があれば教えてください。

坂本 野望としては、「位置ゲーのフォーマット」を変えたいことでしょうか。マップがあり、その上にキャラクターが立っているというゲーム画面へと変化を与えたいですね。


大森 あの構図にゲームデザインがかなり支配されていますよね。位置はゲーム内のイベントを発生させるための情報以上のものをなかなか与えられていません。
例えば、マップではなく、現実の目に見えるような立体的な景色がゲーム内でも目にすることができたら、それによって企画できるイベント・遊び方は変化してくるかもしれません。


坂本 あとは、みんなでプレイすること。マルチの要素を強く活かしたものも実現したいです。プライバシーの問題があるので難しい部分もあるのですが、ゲームを開いたら周囲に誰かがいて、一緒にコミュニケーションを取りながら遊べるような体験です。位置情報も単なるターミナルだけではなく、その場所にいる人や店舗などを体験に盛り込めると楽しいですよね。


大森 そうですね。そして技術的な部分もありますが、そもそも「外で歩きながらゲームをする」という部分にハードルがあるので、そこをどうクリアするか、というのは各社さまざまな趣向を凝らしているところだと感じています。今ベーシックとなっているフォーマットが変化するのは、技術によるものなのか、アイデアによるものなのか、まだまだ考えていくことはたくさんあります。その壁を打ち破ると、さらに違った遊びが広がってくると信じてます。

今でもスマートフォンをポケットに入れたままゲームが進行する、という部分は、弊社が率先して進めている部分でもあります。『ポケモンGO』などでは別途ウェアラブルデバイスなどを利用して可能になったりもしていますし、今後スマートフォン以外のアイテムの情勢などでも変化していく部分かもしれません。

位置ゲーに関わり続けている両名に最後にお伺いしたいのですが、どんな方とコロプラで共に働きたいでしょうか。

大森 「シンプルにゲームが好きな人」という軸はありつつも、位置ゲーに関してはリアルの遊びとの接点もセットになる部分が多いです。お出かけが好き、音楽が好き、遊園地・水族館・動物園が好き、美味しいものを巡るのが好き。そのすべてがゲームの企画につながってきます。

そのようなリアルな経験が好き、数多く持っている人だと、これまでにないアイデアが浮かび上がってくる可能性も高いと思うんです。そうやって、今までにない「新しい体験」を一緒に創造できる可能性がある方がいいですね。

そして、コロプラは「面白い・楽しい」ということに対して真摯に向き合っていて、それを実現することに対しての優先度が高く意思決定がすばやい会社です。
クリエイターとして考えたとき、価値あるものを創造したときに素直に評価されるので、そういったところでの充実感は多く得られる環境です。


坂本 我々コロプラは常に「新しい体験を作りたい」ことを掲げているのですが、位置ゲーに関してはまさにその部分が大きいです。ゲーム業界にはさまざまな会社がありますが正直なところ、このジャンルは制作に関われるチャンスが少ないと思います。

通常通り、家でプレイするゲームと同じ形でつくっても、まったく楽しめないものになってしまう。なので、位置ゲーのプロジェクトで一緒に働きたいのは「素直に新しい知識を学び、それを受け入れられる人」です。まったく新しい発想が必要にもなりますし、ほかのゲーム制作ではありえなかった常識、ノウハウがいっぱいあります。新しい視点なども多数あるので、そこを真摯に受け止め、学習できる方をお待ちしています。

そしてコロプラは新しい技術、新しい体験にすぐ飛びつき、プロジェクトとしてスタートする会社です。失敗も多く苦しい思いも数多くあるのですが、それによって得るものも多い。

「新しいものにチャレンジしたい」という人にとっては、本当に天国のような環境ですよ。

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位置ゲーというジャンルでの新たな企画や取り組みにも注目していきたいですね。本日はありがとうございました。

※「位置ゲー」は株式会社コロプラの登録商標です。

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