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香川、福岡からオンライン面接のみで入社!?  コロプラの障がい者アスリート対談【パラカヌー × ブラインドマラソン】

  1. パラカヌー選手

    今井 航一

    1974年 広島県生まれ、香川県在住。2019年、日本パラカヌー日本選手権大会(VL3)優勝。2020年9月の日本パラカヌー日本選手権大会と2021年3月のパラカヌー海外派遣選手選考会では(KL3)(VL3)ともに優勝し、2大会連続で二冠達成。2020年9月、コロプラにパラアスリート選手として入社。日本障害者カヌー協会に所属し、香川県パラカヌー協会では会長も務める。

  2. ブラインドマラソン選手

    山下 慎治

    1983年 福岡県生まれ、福岡県在住。2019年、第50回防府読売マラソン大会、優勝。2020年、第68回別府大分毎日マラソン、3位。2020年10月、コロプラにパラアスリート選手として入社。大濠公園ブラインドランナーズクラブに所属。

現在、コロプラには6名のパラアスリートが所属しています。入社順に競技名を書き出すと、パラバドミントン、車いすバスケットボール、パラアーチェリー、パラカヌー、ブラインドマラソン、車いすラグビーと様々で、共通点がないように感じられるかもしれません。そして、さらにパラアスリートを募集しているのですが......次はどんな競技のパラアスリートを求めているのでしょう。

Be-ars編集部が人事部パラアスリート採用担当に尋ねると、「競技ではなく個人を応援しているので、競技は問わない」とのことで、それはコロプラらしい話だな......と妙に納得した一方で、これからパラアスリートとして入社されたい方は、実際にどんな選手が入社しているか気になるところなのではと思います。

そこで今回、2020年9月に入社したパラカヌーの今井 航一選手と、同年10月に入社したブラインドマラソンの山下 慎治選手にオンライン取材を実施。すると様々な共通点があったのと同時に、まるで旧知の仲であるかのように話がどんどん展開していきました。

コロプラ所属のパラアスリートたちが競技活動をする中で考え、日頃から大切にしていることとは?

競技のレベルが上がり、
企業所属パラアスリートへ転向を決意

初めまして、Be-ars編集部です。こちらは在宅勤務中で東京から繋いでいるのですが、お二人は少し離れたところにお住まいとか......まずは自己紹介をしていただけますか。

今井 香川県でパラカヌーをしています、今井です。坂出市の府中湖というカヌー競技場で、国内大会および国際大会の舞台で結果を出すことを目指しながら日々トレーニングをしています。

山下 福岡県でブラインドマラソンをしています、山下です。主な練習拠点は福岡市の大濠公園で、そこのランニングコースで練習していることが多いです。やはり私も国内・国際大会に向けて調整しながら走っています。

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まったく別の場所で、それぞれ競技活動をされているんですね。ちょっと具体的に、日々どんなふうに過ごされているか教えていただけますか。

今井 たとえば今朝は自宅から車で府中湖に行って、一人で艇(てい)を漕いでいました。部活の中高生たちが漕いでいる時間帯もあったり、たまに健常者の日本代表チームの方がいたりしますけど、基本的には一人で水上トレーニングをしています。あと陸上ではエルゴメーターという、カヌー専用のルームランナーみたいな器具を使ってパドリングの練習やウェイトトレーニングをしていますね。

山下 今日ですと、私は朝6時くらいから走っていました。私の場合、視覚障がいで伴走者の方と走る必要があるんですけど、伴走者の方はみなさん社会人で、仕事の前後や休日に走っていただくことになるんですね。だから平日は早朝と夕方以降に走るのが基本で、伴走者がいない午後の時間帯は一人で体幹トレーニングをしたり、ランニングマシンを使って走ったりしています。

お二人とも競技活動に打ち込んでいるということですが、コロプラ所属のパラアスリートになる前はどんなふうに過ごしていたのでしょう。

今井 そもそも営業職をしていたんですけど、8年ほど前に病気で足を切断しまして、入院している間にキャリアチェンジを考えたんですね。そこで3年ほど学校に通って、鍼灸あんまマッサージ師の国家資格を取って開業して、ほぼ同時期にカヌーも始めたんです。最初は艇に乗るのも一苦労だったのですが、続けているうちに競技のレベルが上がって、トレーニングだけでなく体のメンテナンスにも時間をかける必要が出てきまして......競技に集中したいという思いが強くなって、アスリート雇用の求人を探して、今に至るという感じです。

山下 私も同じで、競技のレベルが上がるうちに仕事との両立が難しくなって、パラアスリートの就職支援サイトでアスリート雇用をしている企業を探して応募しました。前職は鍼灸あんまマッサージ師の仕事と競技活動を両立するような職場だったのですが、練習の時間を増やしたくなったんですよね。

今井 入社時期も1ヶ月違いですから、同じ時期に同じようなことを考えていたんですね。コロプラ入社前は週末や空いた時間にしかトレーニングできなかったのですが、今はほぼフルで毎日体を動かせるので、有り難い環境だと思っています。

山下 私も以前は1ヶ月で500〜600kmが限度だったのですが、今は1日平均20kmくらいで、600〜700kmほど走れるようになって嬉しいです。ちなみに800km以上走った月もあったのですが、それだと走りすぎで体に余計な負担をかけてしまったので、今は練習量を調整して、休むのも練習のうちだと考えるようになりました。

今井 わかります。アスリートとして過ごすようになってからは休むときも考えているというか......休み方も考えないといけなくて、その時間があるというのも大きなところだと思います。競技を始めた頃はひたすら艇に乗って感覚を体に覚え込ませて、くたくたになるまでやっていましたけど、今はそれをする必要もないし、トレーニングの質も内容も変わってきていて、たとえ30分でも密度の濃い練習をするほうがいいんですよね。

山下 長期的に練習できなくなるのが一番怖いので、セルフケアをして怪我の予防をするようにしていますね。

今井 あと年齢も考慮しないといけなくて(笑)、20代の頃のような体の扱いでは逆にパフォーマンスが落ちるので、そのあたりも考えながらパフォーマンスを最大限発揮できるような休養と、トレーニングの見極めをするようになりました。

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オンライン面接のみで入社!?
コロプラに所属後の変化とは

そしてご縁があってコロプラに入社されたわけですが、内定までオンライン面接のみで、まだ一度も出社されていないとか。

山下 あ、私は関東で合宿があったときに一度だけ、人事部へご挨拶に行きました。

今井 いいですね。僕はコロナ禍ということもあって、まだ一度も出社したことがありません。面接に関して言うと、オンラインで良かったと思う部分が多かったですね。義足で慣れない場所へ移動するのもしんどいのと、大会に向けてトレーニングを休みたくないというところもありましたので、有り難かったです。

山下 私も現地に行って面接を何度も受けるのは大変なので、ものすごく助かりました。少しは見えるのでパソコンであれば対応できますけど、行き慣れていない場所へ行くのは負担が大きいんですよね。

なるほど。お二人とも活動拠点は変えずに所属できる会社を探していたのでしょうか。

山下 そうですね。出身も、以前勤めていた会社も福岡ですので、福岡拠点ということは重視していました。

今井 拠点を変えずに練習を続けられるのは大きなメリットですね。カヌーは練習できる場所が限られますし、生活環境も含めて、拠点を変えるのはなかなか大変だと思います。

山下 それと今回の転職活動で重視したのは、競技活動に専念させてもらえるという点でした。毎月出社しないといけないという会社が多いんですけど、コロプラの場合、月次面談もオンラインで済むので魅力的でした。あと、パラアスリート採用実績もあったのでそれも安心材料でしたね。

コロプラ所属のパラアスリートになってから、何か変化はありましたか。

山下 まず練習に集中できるようなって、体のケアに当てられる時間ができたのは大きいと思います。あと私の場合、伴走者の方とのスケジュール調整が非常に重要なのですが、それがだいぶ楽に、やりやすくなりました。

今井 僕もだいたい同じような感じですね。それ以外のところで言うと、たまに大会結果が新聞などに載るときに「コロプラ 今井 航一」と書かれると責任を感じますし、トレーニングするときの大きなモチベーションの一つになっています。あと競技や活動場所は違っても、頑張っている仲間が同じ会社にいるのは励みになりますね。

山下 励みになりますよね。伴走者や応援してくれている方々に、コロプラやコロプラのパラアスリートのことをもっと知ってもらいたいと思っています。

今井 それと個人的には、パラアスリートの特徴は障がい者という立場で競技活動をしていくことが社会的責任というか、会社の一員として大事なのかなと思っているので、バリアフリーな社会につながっていくための行動というところも意識しながら取り組んでいるつもりです。僕自身、自分が障がいを持つまでは関わるところもなかったので、価値観の共有というか、社会とのちょっとした触れ合いの中でお互い理解できるような雰囲気づくり、つなぎ役になることも職務の一つなのかなと理解しています。

山下 私も、自分が頑張っている姿を見て誰かの刺激になればということを思っていますし、周りから刺激をもらうこともあります。アスリートとして競技で結果を出すことも大事ですけど、結果と同時にプロセスを伝えていくのも大事だと思っていますね。

パラアスリートは6名とも、コロプラ社内向けの月報をブログ形式で発信していますよね。

山下 私はもともとnoteでも日々の活動を発信していましたので、それをまとめて出すようにしています。この状況なので会社のみなさんにお会いできる機会はなかなかありませんけど、月1回でも見てもらえたらなあと。ほかのパラアスリートの活動についても、それぞれの月報を読んで知っていく感じですね。

今井 僕はカヌーがマイナーなスポーツなので、どういう切り口で話したら興味を持ってもらえるのかなと考えながら書いています。ほかの競技との違いってたくさんあると思いますけど、たとえばマラソンだと、42.195km走るのは相当体力がいりますよね。僕の競技は200mで一瞬で終わるので、使う力が違うのかな......とか思ったりしています。

山下 でも一瞬は一瞬でキツイですよね。取り返しのつかない怖さもあるのではないでしょうか。マラソンの場合、5秒くらいなら取り返しできるかなと思いますけど......。

今井 瞬間的なミスが結果に繋がるので、常にめちゃめちゃ集中しています。面白いところですね。

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どんな状況であろうと、
自己ベストを目指し続ける理由

現在は新型コロナウイルスの影響で練習もされづらい状況にあると思いますが、どんなことを大切にしながら競技活動をされていますか。

山下 たしかにそういう状況ではあるんですけど、私自身は伴走者が見つかれば基本的にはトレーニングできるので、充実した練習ができているんですね。その上で、あえてこの状況について話すとすれば、障がい者スポーツにおけるクラス分けの有利不利について考えることに、似ているような気がします。

今井 ああ、パラアスリートなら一度は考える部分かもしれないですね。たとえばパラカヌーをやっていない方から見たら、クラスが一緒のパラアスリートだと「障がいの程度が一緒なんだろうな」と思われるかもしれませんけど、同じクラスの中でも幅があって、障がいが僕より重い人も軽い人もいるんですよね。

山下 私もそれについて考えていた時期があったのですが、考え続けるうちに、「割り当てられたクラスの中で、不利な条件であっても勝ちたい」と思ったり、また逆に有利な条件の人は「ここで負けられない」という思いがあるでしょうし......そうなると、そのあたりのことを考えても仕方がなくて、やっぱり自己ベストを目指し続けるしかないのかなと思うようになって、自然と気にしなくなりました。

今井 自分がどうこうできないことを考えても仕方がなくて、自分は自分でトレーニングするしかなくて。コロナ禍であろうとなかろうと、自分が納得するパフォーマンスが出せてナンボだと思うので、自分の力をどこまで伸ばして出しきれるのかにフォーカスしてやるしかないですよね。

山下 まったくその通りで、だから質問の回答としては、日々のトレーニングと休養とのバランスを大切にしながら自分の目標に向けて競技活動を続ける、という感じでしょうか。

ああ......それってコロナ禍とか競技活動といったことに限らず、どこで何をしていても通じる考え方かもしれませんね。総じて、コロプラのパラアスリートに向いている人はどんな人だと思いますか。

山下 競技活動に専念したいという強い思いがあるのは前提として、言われて何かするのではなく、自分で考えて行動する人ではないでしょうか。

今井 同意で、純粋にその競技が好きで打ち込みたくて、自己管理ができる人だと思いますね。アスリートとしては活動しやすい状況にありますので、一人でいても自分が目指すベストを追い求められる人が向いていると思います。

最後に、今後の抱負などをお話いただけますか。

今井 結果を残すというところをメインで考えて、国内・国際大会でベストを出せるようなトレーニングをしていきたいのと、折を見てコロプラのオフィスにも行きたいと考えています。

山下 私も自己ベストを目指して、引き続き頑張っていきます。コロナが落ち着いたら改めてオフィスにも行きたいですし、もっとブラインドマラソンに興味を持っていただけるようになるといいなと思っています。

直接お会いできるのを楽しみにしています。今日はありがとうございました!!

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