3D背景デザイナーチームのマネージャーが語るライティングへのこだわりとその魅力
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背景デザイナー
マネージャーY.K
少し回り道をしてからゲームの専門学校に進学・卒業した後、コンシューマーゲームのデベロッパーに6年間勤務。スマホゲーム会社を経て、2016年コロプラに入社。『ドラゴンプロジェクト』などを担当し、現在は背景デザイナーチームのマネージャーも務める。
ライティングだけで
背景が見違えるように変わった!
子どもの頃からゲームと絵を描くことが好きで、"大人になったらゲームを作れるようになるといいな" と思っていたんですが、そんなにスマートにはいかなくて(笑)、理系の大学を出て、新卒ではゲームとは全く関係のない業界に就職しました。それでも "やっぱりゲーム業界で働きたい" という思いがふつふつと湧いてきたので、思い切ってゲームの専門学校で3Dの基礎を学ぶことにしたんです。
背景に興味を持つようになったのは、卒業制作がきっかけでした。なかなかうまくできなかったので先生に相談したところ、ちょっとライティングを変えただけで、自分が作った背景が見違えるように良くなったんです。「ライティングだけでこんなにも雰囲気が変わるのか!」と感動して、それから背景を専門にやりたいと思うようになりました。
卒業後は、コンシューマーゲームのデベロッパーに就職しました。希望どおり背景セクションに配属され、アクションゲームや格闘ゲームの背景を作っていました。入ったタイミングも良く、ヒット作の続編に携わるという喜びもありましたけど、年数が経つにつれて徐々に物足りなくなっていきました。ゼロから新作ゲームを作ってみたいという思いが強くなっていったんですね。それで当時、流行り出していたスマホゲームの会社に転職することにしました。
ちょうどスマホでも3Dのタイトルがこれからどんどん盛り上がっていきそう、という時期で、その会社も3Dゲームを自社開発しようと意気込んでいました。とはいえ人材も足りていなかったし、組織体制も整っていなかった。でも次のステップアップを考えていたときだったので、むしろ、そうしたまっさらな環境のほうが自分の力を発揮できそうだと考えたんです。
その会社で担当していたゲームの開発が一段落したとき、知人からコロプラを紹介されました。スマホゲーム会社の中でもコロプラは3Dのゲームに力を入れていて開発力が高い印象でしたし、新作ゲームのリリースを控え、背景デザイナーを募集しているということだったので、入社することにしました。
背景の力で、
ゲームが心に刺さる体験になる
コロプラ入社後は『ドラゴンプロジェクト』に配属され、1年半ほど運用に携わりました。コンシューマーゲームの背景に近かったので、自分のスキルにマッチしていたと思います。隅々まで背景を作る必要があって難易度は高くなりましたが、ゴリゴリの3Dで背景を作りたかった自分にとっては、やり甲斐のほうが大きかったですね(笑)。
大型モンスターと戦うことがコンセプトのゲームなので、モンスターをかっこよく引き立てることを心がけて背景を作っていました。まずはモンスター側のコンセプトが先に決まるので、モンスターに合うロケーションと雰囲気を考えながら画面全体の絵作りをしていくわけです。
ただ、絵作りといってもアクションゲームなので、単純に絵(背景)を見せればいいというわけではありません。頑張りすぎて背景の印象が強くなりすぎてしまうと、場合によってはそこに登場するモンスターが見えづらくなったりすることもあり、結果、ゲームプレイに支障をきたしてしまうこともあります。そこで力を発揮するのが、ライティングです。
たとえば背景の情報量が多い部分にあえて影が落ちるようにライティングをし、情報量を抑えることで見てほしいモンスターに視点を集め、視認性を担保するんです。また、雰囲気を演出するだけでなく、主役が引き立つような絵になっているか、ゲームプレイに支障がないかという面も考えて画面全体を仕上げていきます。
背景の力で、ゲームをより心に刺さる体験にすることもできます。たとえば草原の広がりを強く体感してもらうために、その前に窮屈な洞窟を置いて、通り抜けてもらうようにするとか......背景の力でユーザーさまの心を動かしたいと思っています。
そのためにも現実の自然表現を把握していることが大事で、日頃から照明と影の関係性を確認したり、水溜まりの反射を観察したり、天気の移り変わりを眺めたりしていますね。それをゲームにそのまま落とし込むのではなく、少しだけ誇張するくらいがちょうどいいとか......気付けば背景のことを考えている、ということがよくあります。いわゆる職業病かもしれませんが(笑)。
背景デザイナーチームの
マネージャーとして
背景デザイナーのチームには2Dと3Dのデザイナーが混在し、それぞれ別のプロジェクトを担当しています。私がマネージャーを務めているのですが、カッコイイ系の背景が得意な人もいれば、かわいい系の背景が得意という人もいるので、各メンバーの得手不得手を把握して、実力が発揮できそうなプロジェクトにアサインするようにしています。
現在、3D背景デザイナーを積極的に採用しています。私がポートフォリオを見る際は、モデル単体でのクオリティも見ますが、レイアウトやライティングがきちんとできているか、雰囲気が出ているかというところを確認しています。
面接では、入社後に齟齬があってもいけないので、今できることと今後やりたいことを率直にお話ししていただきたいと思っています。なるべく面接用に準備した言葉以外の声をお聞きしたいと思っているので、失礼のない程度にリラックスして話せる雰囲気を心がけています(笑)。
コロプラの背景デザイナーには、映像業界やコンシューマーゲーム会社出身の人もたくさんいます。現在、スマホゲームでもコンシューマーゲームの作品と近しい表現ができる状況になってきていると思います。
現在携わっているプロジェクトも、以前私がコンシューマーゲームを制作していたときに作っていたものとほぼ同等のことができるようになっています。ここまで本格的な3Dのスマホゲームを作れる会社も少ないと思いますので、自分が持っている技術やノウハウを新たな領域で活かしたいという方には、ぜひコロプラで活躍していただきたいと思っています。