このたびの東北地方太平洋沖地震により被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
おでかけを科学する<コロプラおでかけ研究所(主席研究員:長谷部潤)>は、株式会社コロプラ(代表取締役:馬場功淳)が運営する位置ゲープラットフォーム「コロプラ+(プラス)」における月間4,000万回もの位置登録情報を分析した結果、首都圏「お花見」における人の動きが前年比で2割~5割減※1となっていることを明らかにした。
自粛の影響が色濃く数字に表れた。その中で千鳥ヶ淵緑道は桜材グッズによる義援金企画を行い、前年比大幅増となった模様。関西は総じて前年比プラスであり自粛の影響は見られなかった。工夫によってお花見と被災地支援とを両立させた千代田区観光協会に賛意を表したい。
※位置登録データは統計処理をしており、ユーザの皆様個人を特定できるものではありません。
※当該資料はサマリ版です。フルレポートはこちらのPDF(844KB)をご覧ください。
※1 お花見シーズンで最も人出の多い日における位置登録回数比較。今回は調査対象エリアが極めて狭くサンプル数がやや少なかった点には注意されたい。
どこに在住している人が千鳥ヶ淵に出向いたのか?:千鳥ヶ淵緑道で位置登録をした<コロプラ+>ユーザの本拠地分布(最も位置登録回数の多いエリア=自宅or職場)。高崎や小田原のユーザも散見される
関東での花見は明白に自粛された
東日本大震災の結果、あちらこちらで自粛が声高に叫ばれるようになった。数多くのイベントが自粛となり、当然のように「お花見」についても自粛の波が及んだ。<コロプラおでかけ研究所>では、月間4,000万回を超える位置登録データを元にお花見への人出状況を可視化したところ、想定した通り、昨年比で大幅な来訪者減になったことが明らかになった。
都内の主要お花見スポットでは、前年と今年の人出ピーク日比較で20%台~50%台もの減少となった。前年は満開時期と週末がほぼ重なっており、その点今年は若干のハンディはあるものの、それを加味しても大幅な減少と言える。人々の心に「自粛」のふた文字が強く強く刻み込まれたと推察される。
お花見シーズンにおける人出ピーク日の位置登録回数前年比較。昭和記念公園であれば2010年4月3日の位置登録回数と2011年4月10日のそれとの増減率を表している。満開日に最も近い「週末」がピーク日となる傾向が強い
千鳥ヶ淵で何が起こったのか?
一都三県まで調査範囲を広げても、その多くは都内主要スポットと変わりのない結果であった。つまり首都圏のほぼ全域で「お花見=自粛すべきもの」という構図が成立していたことがうかがえる。その中で唯一大きな伸びを示しているのが千鳥ヶ淵緑道である。<コロプラ+>での位置登録回数は前年比125%増と2倍を超える伸びを示した。では千鳥ヶ淵で何が起こっていたのか?
実は東日本大震災の義援金呼びかけ企画を千代田区観光協会が計画・実施していたのである。千鳥ヶ淵の桜の木材を使ったグッズ(携帯ストラップ、USBメモリーなど)を販売、その収益の全額を義援金として寄附する企画である。販売は千鳥ヶ淵だけでなく靖国神社外苑など計3か所で行ったものの、メディアに掲載された見出しが「千鳥ヶ淵...」で始まるケースが殆どで、またグッズも千鳥ヶ淵の桜を使用しているため、千鳥ヶ淵に人々の足が向かったものと考えている。
お花見シーズンにおける人出ピーク日の位置登録回数前年比較。県名のないスポットは全て東京都
昨年と変わらない関西
東日本エリアほど自粛の声が強くない関西エリアは、どういう結果であったであろうか。<コロプラ+>のデータでは下図のような結果となった。結果は前年並みどころか、前年を大きく上回るスポットがいくつも見られた。京都の嵐山に至っては前年比40%増である。大阪城公園は下落となっているが、前年の人出が非常に大きかったことが主因であり、今年も絶対数としてはかなりの人出の規模であった。
お花見シーズンにおける人出ピーク日の位置登録回数前年比較
過度な自粛ではなく「日常生活」を通しての被災地支援を
「自粛」というのも被災地を思いやる一つのありかたであろう。一方で被災地の複数の酒蔵からは、「自粛をせずにお花見をしてお酒を飲んで下さい」という切実な声も出ていた。「日常」の経済活動(例えばお花見や旅行)をすることで少なからず景気への寄与となることも、大切な被災地支援であると<コロプラおでかけ研究所>は考えている。千代田区観光協会のような工夫が今後あらゆるシーンでも求められてくるだろう。
自粛の影響で首都圏では「お花見」への足が遠のく(844KB)
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コロプラおでかけ研究所について
株式会社コロプラ内に設立された「おでかけ」に関するリサーチセンター。位置情報プラットフォーム<コロプラ+>におけるユーザからの月間4,000万回にも及ぶ位置登録情報データをベースに「人々の移動」を調査・分析し定期レポートを発表している。
主席研究員:長谷部潤 ※株式会社コロプラ 取締役CSO(最高戦略責任者)を兼務
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【本プレスリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社コロプラ 経営企画部:天野 press@colopl.co.jp