#タイツの日

『アリスギア』こだわりのタイツを"靴下ソムリエ"が見る!

常に「デニ検」状態だというソムリエの実力は――!?

「デニール数検定2020(以下、デニ検)」の開催を記念して、「タイツの日」を制定され、企画にも多大なご協力を頂いた株式会社エムアンドエムソックスの南慶輔様に、コロプラ広報担当が特別にインタビューをしてきました!

「靴下ソムリエ」の資格を持つ南さんに、「デニ検」を受けて頂いた感想や、『アリスギア』のタイツの表現の魅力、企画の裏話などをたっぷり語って頂きましたので、ぜひご覧ください!

▲こちらが「靴下ソムリエ」の南さん。認定証とともに撮影させて頂きました。一見すると普通の方ですが、その胸の内には、靴下やタイツへの熱すぎる想いが秘められています……!

靴下を極めし者ーー「靴下ソムリエ」とは

――始めに、南様がどのような業務に携われているのか教えて頂けますか?
 弊社はタイツやソックスなど、レッグウェア全般の企画・生産・卸し・自社販売を行っている会社になります。その中で、私は自社で生産した商品を販売する営業職ではあるのですが、今回の企画のプレゼント用に制作させて頂いたようなOEM(※)の案件も対応しています。他にも、新商品の企画や、自社の販売サイトの運営、方針の決定、お客様への出荷なども行っています。なんでも屋ですね(笑)。
※「Original Equipment Manufacturing」の略。委託元のブランドの製品を製造することを言い、今回の企画ではプレゼント用のタイツを制作頂きました。
――かなり幅広くお仕事をされているんですね。エムアンドエムソックスさんには入社されて何年目になるのでしょうか。
 今年で5年目になります。その前は8年ほど介護の業界におりまして、その時に資格も取らせていただきました。その時の経験が、靴下の開発などに活きていますね。
――今回、コロプラから企画のご相談をさせて頂いた時の心境を教えて頂けますか?
 正直、最初はどういうことなのかなと思いました(笑)。仕事柄宣伝の営業を受けることが多いので、ゲームの中で広告を入れてほしいということなのかな……? と、理解が及ばず勘違いしていたんです。
――我々も言葉足らずで失礼しました。
 いえいえ! その後詳しくお話を伺ったら、とてもおもしろい企画でしたので、ぜひにとお返事させて頂きました。まさかこんなお話を頂けるとは思わなかったので、びっくりしましたね。
――そう言って頂けて本当にありがたかったです。我々も、突然「デニール数検定」という謎の検定を、本職の業界の方にご提案するのには、かなり勇気がいりました(笑)。
 そうだったんですね(笑)。
――エムアンドエムソックスさんの製品の特長について教えて頂けますか?
 まずは「日本製」にこだわっているというところですね。現在、アパレル業界は輸入品が大多数を占めており、国産は2%、ソックスでも10%です。その中で、弊社は日本製というところを大事にしており、約500点ある商品のうち、97%以上が日本製なんです。
 素材についても非常にこだわっておりまして、たとえば糸(繊維)についても「ロイカ®」という旭化成さんの糸を、承認頂いて使っています。この糸は、一般的な化学繊維よりもひとクラス上の糸で、種類によっては伝線しにくいなどの多様な機能を持っています。他社さんでも「ロイカ®」を使っている製品はあるのですが、承認を得てパッケージにロゴの記載もさせて頂いている商品は少ないかと思います。糸も時期によって価格が変わるので、メーカーさんによっては使う糸を変えられたりすることもあるのですが、弊社はこの「ロイカ®」をしっかり使った製品を販売させて頂いております。
――素材が肝心なんですね。正直、申し訳ないのですが今お話を聞くまで糸のことまで気にしていなかったです……。というか、私男性なのでそもそもタイツを買ったことすらありません……。
 そうですね……。私も入社するまでは同じくタイツのことは全く知りませんでした。でも、今では履きますし、なんなら被ります
――え、被る!?
 もちろん、商品を理解するため、業務のためですよ!
――良かったです。一瞬南さんのご趣味なのかなと思ってしまいました……。
 業務です!
――大事なことですよね。続いて、「靴下ソムリエ」についてお伺いしたいのですが、これはいったいどういう経緯で誕生した資格なのでしょうか。
 私は奈良県出身なのですが、奈良は靴下やタイツといった、国内のレッグウェアの生産の6割を占めるんです。お寺か靴下屋さんかといったぐらい、靴下屋さんがあるんですよ。
――そんなに多いんですね。
 そうなんです。そんな奈良県に、「靴下工業協同組合」というものがあるのですが、輸入の比率が高くなる中で、消費者に国産の靴下の価値を伝えていくことの重要性を鑑み、2017年にその組合から発足した資格が「靴下ソムリエ」になります。「靴下の歴史や生産・技術、製品など豊富な知識をもち、消費者にその魅力を伝えることのできる伝道師的な人材の育成」を目的としています。簡単に言うと、靴下のファンを作るための活動をしている人ということです。
――「靴下工業協同組合」には靴下ソムリエのボス……つまり靴下マスターのような存在がいらっしゃるのでしょうか。
 どうなんでしょう(笑)。特定の人物がいらっしゃるかというとわからないのですが、靴下の製造にはさまざまな工程があり、そのさまざまな分野のプロが集まって監修して作られていると聞いています。
――こういう言い方は失礼かもしれませんが、思っていた以上にずっしり、しっかりしたテキスト教材があって驚きました……。合格倍率はどのくらいなのでしょうか。
▲歴史から製造工程まで、専門用語や見たこともない図面が乱舞する「公式テキスト」。正直素人にはまったく理解できず、異世界の書物を読んでいるような気分になります。靴下、深い……。
 ニュースの報道によると、昨年の合格率は33%。一昨年は42%でした。私は1回目を受けたのですが、その時は64%だったので、ちょっとラッキーでしたね(笑)。
――突然難易度が上がりすぎですね! 「靴下ソムリエ」は、全国で何人ぐらいいらっしゃるのでしょうか。
 まだ3回目なので、全国で600名弱ほどです。そんなに多くはないとは思います。始まった時、業界関係者はかなり騒然となりまして、今も積極的に受けられている方がたくさんいらっしゃいますね。
――試験自体はどなたでも受けられるのでしょうか。
 そうですね。試験は全100問の記述問題で、実技などはありませんので、テキストさえしっかり覚えれば、どなたでも合格のチャンスがあります! 今年はコロナ禍の影響で中止になっていますが、1万円ほどで受験できる資格ですので、再開された際にはぜひトライしてみてください。

「靴下ソムリエ」が語る『アリスギア』のタイツの表現のすごさ

――実際に昨年の「デニ検」をプレイ頂いたとのことですが、難易度はいかがでしたか?
 そうですね……。率直に言うと、できましたね。
――え、もしかして簡単でした……?
 はい……。ですね。
――本当ですか!? 画像が一瞬しか表示されないんですが……。
 職業柄、私は業務として日常的にタイツを見ていますからね……。市場感を把握するために、「このくらいの気温だと、皆さんどのくらいのデニール数のタイツを履かれるのだろう」と、街中でもつい気になってしまうんです。
――それって、常に「デニ検」をしているような状態じゃないですか! 肌の色味などで、透け感も変わってくるかと思うのですが、そういった部分を加味しても問題なく回答できましたか……?
 むしろ、そういった部分が判断基準になりますね。
――おおお……。さすが「靴下ソムリエ」ですね……。我々「靴下一般人」では及ばない領域というか、もはやちょっとした「異能力」なのではとすら思います。
 いやいやいや(笑)。ただ、私がパッと見て答えられるのも、『アリスギア』のタイツの表現が、実際のタイツに近い作りになっているからだと思います。特に「透け感」の表現がリアルでよくできていますね。たとえば、80デニールだとふとももあたりに微妙な透け感が残っていますが、120デニールだとその透け感は残っていないんです。現実でもその通りです。
 実際に3Dモデルを拝見して、「ここまでするのか」と驚きました。タイツの衣装を作られるゲームメーカーさんは他にもたくさんいらっしゃると思うのですが、デニール数まで意識してここまで作り込まれるメーカーさんは、なかなかいらっしゃらないんじゃないでしょうか。
▲『アリスギア』のタイツの表現のすごさを、丁寧に解説頂きました。ちなみに「デニール」とは、ナイロン1gを9000mの長さにした時の値だそうです。どんどんタイツに詳しくなっていく……。
――そう言っていただけると、開発チームも喜ぶと思います。もし、この3Dモデルに何かアドバイスをするとしたら、どういったものがありますか?
 うーーーーーん。難しいですね。既に表現としては完璧なので、あとはもう素材のバリエーションを増やすとか……でしょうか。たとえば、ブライトとか。
――ブライト?
 あ、「ガ〇〇〇」のではないですよ?
――いや、この話の流れで「〇〇〇ム」のブライトだとは1ミリも思わないですよ!
 「ブライト」というのは、ラメ入りの素材です。何か足すとしたら、このようにファッション性の幅を広げるぐらいしかないかなと思います。
――ちなみに、せっかくなのでお聞きしたいのですが、タイツの美しい履き方ってありますか?
 あります!! タイツって普通に履くと、つま先に生地が残って、厚みにムラができてしまうんです。なので、まくし上げてから履くと、このように美しく履くことができますよ。ぜひ試してみてください。
▲突如部屋の奥から足のマネキンを取り出して、実演してみてくださった南さん。確かに、まくし上げてから履いた方が、色味が均等になり非常にキレイに見えます。
――こんなに違うんですね! ただ、お聞きしておいてなんですが、私は履くことがないかもしれないです……。
 男性でも、一度履いてみて頂くといいかもしれません。意外と自分の足のキレイさにびっくりするかもしれませんよ。私はちょっと太めなのですが(笑)。ちなみに男性の場合は、L~LLサイズ以上をオススメします。

「靴下ソムリエ」、シタラを語る

――今回企画のご相談をする前から、『アリスギア』はご存じでしたか?
 あまりスマホのゲームを遊ばないので、詳しくは知らなかったのですが、ストアのランキングなどでお見掛けすることはありました。ただ、今回のご依頼を受けてから調べてみたら、そうそうたる方々が参加されていてびっくりしました。
――確かに、最初にお打ち合わせをさせて頂いた時に、島田フミカネさんが携わられていたとあるアニメをご覧になっていたと仰っていましたね。
 はい、あのアニメはシリーズをすべて見ていまして、最近始まったものも楽しく見ています!  他にも、ロボットアニメが好きなもので……。
――島田さんの、どういったところに魅力を感じられますか?
 メカと少女を組み合わせられた第一人者だと思っているのですが、昭和~平成中期頃までのSFジャンルは、「男性がロボットを操縦し、女性は後衛で応援し守られる側」というストーリーが多かったように思うんです。そこで、メカと美少女が融合することで、女性が「応援する側」から「応援される側」になった。物語上の立ち位置としても、女の子たちの新しい魅力を引き出されたと思うんです。そういった既成の概念に一石を投じられたというところに、非常にすごさを感じますね。今私も物作りをしていますが、島田さんの姿勢をとても尊敬しています。
――『アリスギア』については、どのように感じられましたか?
 キャラの着せ替えがすごく楽しいなと思いました。「カッコよさ」と「かわいさ」、どちらにも寄せることができて時間を忘れます。細かい部分までこだわり抜いて作り込まれていますし……。「神は細部に宿る」という言葉がありますが、まさにピッタリなゲームだと思いました。
――今回キャラたちに合う靴下やタイツを選んで頂きましたが、ご苦労などありましたら教えてください。
 一番は、既存のファンの皆様に失礼のないような選定・コメントをさせて頂くという点ですね。本当に悩んで決めさせて頂きました。あくまで一ユーザーの観点からということで、寛容にご覧いただけたらと思うのですが……。
――そこまでファンの皆様を想っていただけて、ありがとうございます。
 答えはないものだと思いますし、私の趣向も少し入ってしまっておりますので、多少は目をつむって頂ければと……。
――少し……というよりは、かなり南さんの趣向が筒抜けのコメントだったと思いますが(笑)。
 え、本当ですか!?(笑)
――ちなみにどのキャラがお気に入りでした?
 やはり……シタラちゃんですね! これだけ属性てんこ盛りでしたら、そりゃ好きになるでしょうという感じです。
――……褐色、好きですか?(小声)
 好きです(小声)。先ほど話題に挙げた島田さんのアニメでも、あのキャラが……。
――僕も大好きです。八重歯もいいです。
 ですよね! あとはもう、ギア(ガネーシャ)ですよね。この何かを彷彿とさせる大型のデザイン。これはもうずるいとしか言いようがないですよ! この大型のデザインの中に、ちゃんとシタラの存在感もあって。本当に、ダメです(笑)。
▲南さんお気に入りのシタラちゃん。『アリスギア』に登場するギアの中でも、かなり大型のギアを身にまとって戦います。
――やっぱりあのギアはロマンが詰まっていますよね!
 遊んでみて、こんなにスマホのゲームが進化しているんだなって衝撃でした。女の子のデザインもアニメみたいにかわいいですし、ギアもかっこいいですし……。やっぱり、シタラちゃんですね……(しみじみ)。
――最後に、今回のデニ検を受けられた方に、靴下ソムリエとしてメッセージを頂けますでしょうか。
 この「タイツの日」に「デニール数検定」を受けて頂けているということは、多少なりタイツにご興味を持って頂けているということだと思います。まずはそれが本当にありがたいですね。『アリスギア』もタイツも、末永く愛してください。あとはこれを機会に、男性女性関係なくタイツを履いて頂きたいですね。なんなら被って頂けるぐらい愛して頂けたらと思います。
――やっぱり最後は被るんですね! 素適なメッセージをありがとうございました。
 「靴下ソムリエ」こと南さんにお礼を言い、エムアンドエムソックスさんを後にしようとすると、社長の南昌義さんからも、少しだけお話をお聞きすることができました!
今明かされる「タイツの日」誕生秘話――よろしければこちらもご覧ください!

社長も……被っちゃう!?

――エムアンドエムソックス様の、靴下やタイツへの想いをお聞かせ願えますか?
 社長(以下社長回答):まずはやはり日本製へのこだわりですね。靴下産業を盛り上げ地域貢献をしていくということが会社の理念にあります。そして、大切な誰かにプレゼントしたくなるような、そんな靴下を、真心を込めて作っています。
――11月2日をタイツの日に定められたとのことですが、これにはどういった経緯があるのでしょうか。
 実は、僕の誕生日が11月2日なんです。そこで、弊社の社員たちが「社長の誕生日を記念日にしたい!」と言ってくれまして。もううれしくてうれしくて……。当時「靴下の日」や「ストッキングの日」は既にあったのですが、タイツの日はなくてですね。「11」月は女性がタイツでおしゃれをするベストシーズンであり、片足ずつ編みあとで1つに縫製されることから形が「11」に見えるということ、そしてペア(2)であることから、11月2日を記念日として認めていただけたんです。
――そんな心温まるエピソードがあったんですね。
 はい。僕らはもうタイツを頭から被るぐらいタイツが大好きなので
――先ほど靴下ソムリエの南さんも被ると仰っていましたが、皆さん被っちゃうんですね!
 変な意味じゃないですよ!? 靴下もタイツもストッキングも、本当に大好きなんです。弊社の商品は、他所には絶対に真似できないような子たちだと、自信を持っています!

――毎年、タイツの日が来るたびに、社長の誕生日とその情熱を思い出させて頂きます! 本日はお忙しいところ、インタビューにお答えいただきまして本当にありがとうございました。