コロカ事業

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五島列島の海の幸


 

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ごまかさない味

三十数年前。ミズイカが大変不漁な年がありました。年間を通して販売するために在庫を作るため、3月まで加工をしたことがあったそうです。

ところが、このミズイカのスルメを常連のお客様にお送りしたところ「いつものミズイカじゃない。堅く旨みが薄い。おかしいじゃないか。」とお叱り受けたとのこと。

この出来事がきっかけで、その後成長しきったミズイカを加工することは一切やめたのでした。

自らの味とブランドを守るためには、本当に自分の納得の行く素材で、ごまかさずに妥協しないで作る。

その思いがこのエピソードから伺い知ることができます。

加工されるミズイカは、冷凍物を一切使わず、すべて生きている物のみを加工しており、水揚げ後に仕入れるとそのまま加工工程に入ります。

この加工工程から干す作業が、また長年培った技術の成せる技なのです。

 

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鮮度へのこだわり

その日、市場に揚がった生きたミズイカを仕入れると、そのまま加工作業へ入り、ほぼ前工程を手作業で行います。

一家総出でご近所の方にパートでお手伝いいただきながら秋から1月末にかけて加工と乾燥させ、製品となります。

しかし、ミズイカを捌く工程と干しながら型を作っていく工程は、山戸さん親子のお二人が長年培った技術の元、行っています

加工工程は、腹と頭を割り/内蔵を取りだし/皮を剥くという内容ですが、とにかく鮮度の良いうちに行ってしまうことが重要とのこと。

水揚げ後時間が経ち弱るとイカの体表が赤茶色になり、最後は白くなります。

山戸海産で加工するイカは、最後の白とは全く異なる、水揚げ直後の透明な状態のまま加工されます。

 

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原則と経験則

乾燥の工程はミズイカのサイズにより異なります。

小さなもので4〜5日、大きなものになると10日間近くかかることもあるそうです。

その間は単純に干すだけではなく、仕上がりの見栄えと味を良くするために、吊し干しと型取りという、干しと形を整える作業を繰り返し行います。

この型取りがまたノウハウの塊で、単純に広げるだけではなく、しっかりと乾燥させ味を引き出し、アオリイカのスルメ特有の白さを際だたせるため、精魂込めて作業をされます。

「一目見たら、自分のスルメかどうか一発でわかるよ」と幸治さん。根幹の技術だからこそ、品質の優劣を大きく左右するため、他社のミズイカスルメと並べられても一発でわかるそうです。

干す工程にも原則と、経験則からもたらされる品質の追求が見られます。

「原則天日干しなんだけど、天日干しが"絶対"ではないんだよ」と、経験に裏打ちされたお話をされる喜八郎さん。

温度・湿度によっては、天日干しにこだわると、鮮度が落ちて結果、品質が落ちることもあるため、冷風乾燥機を使うこともあるのだそうです。

原理原則だけを遵守するのではなく、職人としての経験に裏打ちされた技術があってこそ、美しく白く、美味しい山戸海産のミズイカスルメができるのだなと確信した瞬間です。

 

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ミズイカのスルメ

乾燥させたミズイカのスルメは、-30度の冷凍庫で品質劣化が起きないように保存されます。

保存工程で扱いが悪いと、せっかくの白色が変色し、黄色くなってしまうそうです。

色と形を揃え、それぞれの価格を設定してゆきます。

小型のミズイカのスルメが5枚(350g程度)で3,500円と、普通のスルメと比べると大変高価です。

しかし、その味は食べていただくと一目瞭然。あまりの美味しさに、GMが一日中食べていたほどです。

食べるときのコツは、焼いた後にとにかく細く繊維方向に割いて食べることです。

また、焼く際にはヒレ/身/ゲソの3つに分けて、弱火でじっくり焼くと美味しいとのこと。

ぜひ、感動の味を味わってみてください。

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