コロカ事業
奈良・奈良吉野いしいの柿菓子
- 店舗レポート
偶然と工夫
「規格外の柿をたくさん仕入れて商品として世に出すことが、ひいては生産者の収入につながり、良い柿作りにつながり、吉野の柿がブランド柿となる。だから柿をたくさん仕入れることは、初代から続く使命なんです。」と、和弘さん。
実を大きくするために、摘果(てきか)と呼ばれる作業で間引かれた実とヘタの部分は無駄にせず、ヘタはお菓子に。実は柿渋を抽出するために利用します。
加工のために干していた柿が雨にぬれてしまい、そのまま放置しておくとカビてしまうために、冷凍庫にしまったところ、冷凍した柿が非常に美味しいことを発見し、商品化に結びつけるなど、偶然すら柿をムダにしない商品化につなげています。
柿の硬さや熟し度合いにより製造する商品を変更し、保管方法も加工方法に併せて、冷凍/乾燥/塩漬けと様々な方法で保存する。
とにかく仕入れた柿をすべて商品にしてロスが出ないように創意工夫をする。
この地域の柿に惚れ込んだ、親子三代の思いが一つ一つの商品に込められているのでした。
永続する文化
柿の品種は1,000種を超えると言われていますが、おおよそ甘柿か渋柿かで分けられています。
甘柿はそのまま生食で食べられますが、渋柿は渋抜きの為に一手間かけて食べられます。
渋柿を食べる代表的な手法として、皮を剥き雨にうたれないように軒先に吊るして乾燥させる干し柿は、その製法から吊るし柿ともよばれています。
吊るし柿は、作る手間と時間がかかることと、製造者自体の高齢化により生産量が減っており、価格も時期により安定しないため、生産量の減少に拍車をかけています。
砂糖を超える程の糖度にもなる吊るし柿は、甘味料として利用されていました。
渋柿を美味しく食べるための文化と技術を支えるために、安定した価格で吊るし柿を生産者から購入し、生産者の生活を支え、ひいては文化を支える。
これが吉野の柿にひたすら打ち込む姿勢を屋号に記した、「奈良吉野いしい」の熱い想いなのです。
作るからには
せっかく吉野の柿を使って作るのならと、新しい商品を開発する際には、とことんこだわりを持って作られています。
柿を使った羊羹を作った際も、よくおみやげで見かける羊羹に柿を混ぜたタイプではなく、100%柿の果汁を使い羊羹に仕立てました。
柿モナカは、あずき餡をつかわずに柿から餡をつくった、柿餡をモナカに入れるなど、とにかく柿そのものにこだわります。
そして、今までに挑戦したことのない洋菓子の柿ケーキ作りにまで、社長自らが洋菓子職人に教わりながら作り上げてしまった情熱の結晶は、各種の表彰を浴びる商品の数々となりました。
昔は廃棄していた年間500トンの柿も、今開発中の柿渋が商品化すると、そろそろ廃棄しなくて済みそうなんです。と、和弘さん。
親子三代の思いは、奈良・吉野の地から柿を通して日本全国へ広がっていくのでした。
コロプラ的奈良県攻略法
奈良県は、時間さえ許せば電車をうまく乗り継ぐだけでスタンプ制覇が可能となっています。
通常お土産もしっかり調べておくと、電車の中から大半がゲット出来ます。
コロカ店舗もこれで県内3店舗目です。
スタンプ制覇、通常お土産、コロカ店舗巡りはさすがに一日では時間が心もとないので、二日がかりで観光地と歴史ある古都ならではの旅をしてみてはいかがでしょうか?
その際には、コロ宿プランのホテルに泊まって、県コロカゲットも忘れずに。