コロカ事業

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北海道・むかわ町の本ししゃも


 

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認知と地方ブランド

昭和59年(1984年)、カネダイ大野商店は初めて百貨店の物産展に出店しました。

いくつかの物産展に出るうちに、東京の老舗百貨店バイヤーの目に止まり、出店する機会を得ました。

初めての東京出展は「シシャモなんて。」お客様にそう笑われるところからのスタートでした。

当時のシシャモは漁獲高の激減に伴い、代用品として輸入された「カラフトシシャモ(カペリン)」という、味が大きく異なり、見た目がやや似た魚が、シシャモとして市場の90%以上を締めていたのです。

大衆魚のイメージ通り価格は安く、味も北海道のシシャモ(本シシャモ)に比べると、大幅に劣るためイメージはますます悪くなる一方でした。

しかし、本シシャモの味を少しでも多くのお客様に知ってもらうために、必死で説明し試食をしてもらうと、その味にお客様が全員驚いて一人、また一人と買い始めたのだそうです。

さらに、漁獲高についても町ぐるみで対策が行われ、むかわ漁協は平成3年から4年間もの間、自主休業としてシシャモ漁を行わず、漁協の女性部は鵡川の氾濫を防ぎ、シシャモが産卵しやすい環境を作るため上流に植林を行いました。

むかわ町民も「むかわ柳葉魚(ししゃも)を語る会」を設立し、町を挙げてシシャモの資源保護に努め、平成7年以降は毎年70トン以上の水揚げが行われるようになったのです。

20年に及ぶカネダイ大野商店による「鵡川シシャモ」の認知向上と、町ぐるみの保護により回復した資源が結実したのは2006年でした。

2006年4月に行われた商標法の改正・施行により、地域団体商標制度が設けられました。

現在では地域団体商標として、秋田県の比内地鶏や、山形の米沢牛、群馬の草津温泉、東京の江戸切子等様々な商標が地域・団体に対して認定されています。

カネダイ大野商店が20年かけて広めた鵡川の本シシャモへの認知と実績は、むかわ漁協を後押しし、2006年10月に日本初の地域団体商標として、むかわ漁協が「鵡川ししゃも」の商標登録認定を受けたのでした。

 

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長年の技と味わい

カネダイ大野商店では10月、11月の短い期間で水揚げされるシシャモを年間200トン程度仕入れ、一年間かけて販売します。

冷凍技術の進歩により、一年分を仕入れて冷凍することで通年の販売が可能になっています。

「創業当時から、一度もカペリンを使ったことはありません。」と、誇らしげに話す、大野さん。

最盛期となる10月,11月は、水揚げされたシシャモを店舗に隣接する工場で、機械による大きさの自動選別を行い、葦ですだれ干ししやすい形にまとめられます。

この葦を使うこともこだわりで、費用的にはストロー状のプラスチック素材で代用可能ですが、葦の表面がシシャモのずれを防ぐため、満遍なく乾燥させることに向いているのだそうです。

シシャモのすだれ作りをする工程は、10名程度の地元主婦の方々が行っています。

熟練の業で素早くすだれが作られていきます。

「コレばかりは熟練した方々にしかお願いできません。これだけの量をこのスピードで、根気よく続けるのも技術ですよ。」大野さんは語ります。

年間を通して使う分は、大きさの選別後に冷凍し、生干しを作るタイミングで解凍して使います。

一年を通して、安定した品質と味わいを提供するのは、やはり長年の技術に裏打ちされたものなのだと、確信しました。

 

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コレを味わえ!

カネダイ大野商店では、すだれ干しを購入すると店内のホットプレートで焼いて食べることができます。

10月,11月には冒頭で書いたように、シシャモ寿司やシシャモ汁の他、シシャモ丼もイートインで食べられますし、シシャモ寿司はテイクアウトも可能です。

それ以外の時期は、苫小牧駅で購入できる通常土産「ほっきめし」の材料となる、ほっきを生かした「ほっきカレー」のみ味わうことができます。

また、シシャモの卵はそのぷちぷちした触感と相まってシシャモを食べる醍醐味として親しまれています。

もちろん、抱卵しているのは雌ですので、雌を食べられる方が多いのですが、身の味は雄が上と言われており、また雌雄ともに身が大きいほど味が良いと言われています。

店頭のすだれ干しは、サイズと雌雄で異なっていますので、おサイフの状況と食べたい種類を組み合わせて購入することができます。

その他、店内にはすだれ干しとしては、サイズが小さいもののシシャモの味わいを十分に味わえ、日持ちのする「珍味ししゃも」や、「ししゃもフライ」、「ししゃも漬」など様々な商品が販売されています。

シシャモ尽くしのカネダイ大野商店はもちろんですが、むかわ町にはシシャモにちなんだ様々なオブジェがあります。

「シシャモオブジェ探し」の他、近くには温泉もあり、5月下旬にはたんぽぽ群生日本一の「たんぽぽの町」としてお祭りも開かれます。

今回の提携を機に、苫小牧市から一歩足を伸ばして、是非むかわ町を訪問してみてください。

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