ルールでは救えない人々を救い活躍してきた
特殊部隊「ヴァンガード」。
しかし規律を重んじるヒーローの中には、
彼らを快く思わぬ者もいた。
ヴァンガードを潰すために動きはじめた
トップヒーロー、ゴッド・ナンバーズ。
異なる正義を掲げるヒーローとヒーロー。
対決の時が迫っていた――
神話還り(ミュータント)と呼ばれる、
神話の神や英雄の力を使える人々が生まれる異界。
能力を悪用する悪党(ヴィラン)から人々を守るため、
正義の心を持つ神話還りは
国家公務員(ヒーロー)として悪と戦っていた。
だが、強大な力を持つがゆえに、
ヒーローには様々な制約(ルール)がつきまとい、
次第に彼らの心を縛っていった。
新人ヒーローのアレイシアは、
同期のエウブレナと共に研修を受けていた。
だがアレイシアは神の力をうまく扱えず、
連戦連敗を重ねるばかり。
それでも挫けず努力を続ける彼女を、
周囲の人々は応援していた。
そして迎えた最終試験。
突如としてふたりに
ヴィランの魔の手が伸びる。
英雄ヘラクレスの力を持つヴィランによって、
アレイシアは一撃で倒される。
エウブレナもまた、
ルールに縛られるがゆえの危機に陥った。
その時、意識を失ったアレイシアの脳裏に、
かつて見た光景が甦る。
最強と呼ばれながら、
十年前に姿を消したヒーロー――ディオニソスⅫ。
ルールを破ってアレイシアを救った彼の勇姿が、
彼女を衝き動かす。
ヒーローは、来る。ヒーローは来るのだ。
雄叫びと共に立ち上がったアレイシアは、
だれも知らない神「アレス」の力を宿していた。
たちまちヴィランを圧倒するアレイシア。
だがそこに、かつて
この異界を混乱の渦に陥れた
創滅の魔神プロメトリックが姿をあらわし、
ヴィランを暴走させてしまう。
扱いなれぬ力に苦戦し、ふたたび
意識を失いかけるアレイシア。
だが、友であるエウブレナを守るため、
魂を燃やして立ち上がる。
そして見事ヴィランを倒すのであった。
このルールを無視した戦いの結果、
アレイシアは所属していた
ハデス部隊を追放される。
そこに現れた謎の女性ゾエルに導かれ、
アレイシアとエウブレナは
新たな組織へと招かれる。
その名は「地域ふれあい課」。
そこでふたりを待っていたのは、
喋る黒猫を連れた魔法使い――「君」だった。
時はわずかに遡る。
いつものようにクエス=アリアスで冒険をしていた
「君」は、この異界に飛ばされてしまう。
戸惑いながらヴィランと戦った君は、
法律違反でヒーローに逮捕されてしまう。
そこへ現れたゾエルは身元引受人となり、
「君」を地域ふれあい課へとスカウトする。
人々の役に立つのならと引き受けた君は、
しばらくの間、平和な仕事を続け、
地域の人々に貢献する毎日を送る。
そしてある日、ゾエルが連れてきた
ふたりの新人――それがアレイシアとエウブレナだった。
ふたりの歓迎パーティーの最中、
突如として鳴り響くヴィラン警報。
巨神王クロノスの力をもつ神話還りが現れ、
街を破壊しはじめたのだ。
止める間もなく飛び出したアレイシアの後を追い、
「君」たちも出動する。
攻撃のたびに力を激しく消耗するアレイシアだったが、
「君」から魔力の供給を受け続ることで回復。
ふたりが力を合わせることで、ついに巨大なヴィランを
打ち倒すことに成功するのだった。
アレイシアを衝き動かしていたのは、ヴィランをも
救いたいという想いだった。
暴走するヴィランを救い、
人々の歓声を受けるアレイシアの姿を見ながら、
「君」はクエス=アリアスへと帰還するのであった。
この事件を機に、地域ふれあい課は
名前を「ヴァンガード」へと改める。
アレイシアはいつか来るであろう
「君」との再会を楽しみにするのであった。
その後、ヴァンガードは独自にヴィランと
戦い続け、互いの結束を強めていく。
市民への認知度はいまいちであったが、
少しずつ理解者も増え、順調であるように見えた。
だが、ヴァンガードを認めないトップヒーローの
存在により、暗雲が立ち込める。
英雄庁の誇る12人のトップヒーロー、
「ゴッド・ナンバーズ」。
ヴァンガードを率いるゾエルは、
その中でも独自の美学とルールをもって戦う
アテナⅦとヘパイストスⅪと接触。
彼らを味方に引き入れることで、
ヴァンガードの立場を盤石のものにしようと
根回しをはじめる。
だが、その場にあらわれたアポロンⅥにより、
計画は裏目に出てしまう。
アポロンⅥはヴァンガードに宣戦布告し、
アテナⅦとヘパイストスⅪもそれに従ったのだ。
ルールを厳守するヒーローと、
ルールに縛られないヒーロー。
対決の時が迫っていた――
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