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『アリス・ギア・アイギス』インタビュー コラボレーション篇

“アクトレス”の少女たちが個性的な“ギア”を身に着け戦うメカ美少女による本格アプリゲーム『アリス・ギア・アイギス』。その現場に迫るクリエイターズインタビューシリーズの第2回を掲載いたします。ゲームに興味を持ってくださっている方や、コラボレーションから本作に興味を持った皆さんに、関係者の皆さまの生の声をお届けします。

第2回は、各展示会などで話題沸騰の『アリス・ギア・アイギス』造形コラボレーションに関わる皆さんへインタビューになります。“メカ+美少女”の立体化で最前線に立つ皆さんに、『アリス・ギア・アイギス』とのコラボレーション発足の経緯から、現在発表になっている各アイテムの見どころ、さらにはメカ+美少女の立体をとりまく状況までをお聞きしました。立体コラボレーションのプロデューサーを務める鳥山とりをさん、『メガミデバイス』ブランドで展開を行う株式会社コトブキヤの野内秀彦さん、『figma』ブランドでおなじみ、株式会社マックスファクトリーの清水圭さん。そして第1回に引き続き、キャラクターデザイナーの島田フミカネさん、『アリス・ギア・アイギス』を制作する、株式会社ピラミッドの柏木准一さんの皆さんにお話を伺いました。早くも試作品が登場となっている、魅力的な立体のヒミツに迫ります。

当日は貴重な試作原型をお持ちいただきました。もうどちらもすでに可愛らしい。

プロフィール

島田フミカネ

イラストレーター。
アニメーションやゲームをはじめ、立体系商品のキャラクター原案など、数多くのキャラクターデザイン(原案)を担当。
その作品の多くに機械や兵器を着用した少女が登場しており、「メカ少女」ブームの火付け役としても広く認知されている。

鳥山とりを

立体プロデューサー。
合同会社ランペイジにて、主にメガミデバイスのプロデューサーを務めるかたわら、凄腕プロモデラーとしても活躍中。『アリス・ギア・アイギス』開発のピラミッドとの付き合いは長く、また立体物における「メカ少女」ブームの火付け役といえる。

野内秀彦

株式会社コトブキヤ・クラフトコンテンツチーム所属。
島田フミカネ氏もキャラクターデザインを務め、大ヒットとなったプラモデルシリーズ『メガミデバイス』『フレームアームズ・ガール』の仕掛け人。今回のコラボレーションにあたっては、『メガミデバイス』のプロデューサーでもある鳥山氏とともに『メガミデバイス』版・吾妻楓の製品化に注力中。

清水圭

株式会社マックスファクトリー・企画部所属。
普段はマックスファクトリープラモデルシリーズ『PLAMAX』を担当する企画部名「清水大将」。長い歴史を誇るアクションフィギュアの代名詞『figma』ブランドより発売されるコラボレーションアイテム、比良坂夜露を担当する。

柏木准一

株式会社ピラミッド代表取締役社長。
ドッタ―から企画・ディレクションを経て、現在も現場の陣頭指揮を執り、数々の大型ソーシャルゲームのプロジェクトを手掛けている。
株式会社ピラミッドは、数多くのゲームの企画・開発・運営、シナリオ及びグラフィック制作を担当。手がけた作品は、ゲーム専門雑誌などで数多くの賞を受賞。
2010年にスマートフォンのゲーム市場に参入。
現在、コロプラグループの一員としてスマートフォン向けの新規プロジェクトを立ち上げ中。

「これはもう僕らでやるしかない(鳥山)」という運命のコラボレーション

――皆様の企画での立ち位置をお聞かせください。

鳥山:では、プロデューサーの私から。ピラミッドさんから『アリス・ギア・アイギス』の立体展開がしたい、とご相談を受けました。ピラミッドさんとは旧知の仲であったので「なんでもやりますよー」と、『アリス・ギア・アイギス』立体商品化プロデューサーとして、広くお仕事をさせていただくことにしました。

――それで鳥山さんからお話が野内さん、清水さんへと。

野内:コトブキヤでは、鳥山さんにピラミッドさんの立体造形プロデューサーを担当していただいているのと並行して、弊社の『メガミデバイス』シリーズのプロデューサーもやっていただいています。普通は立体化に際してピラミッドの方とご相談……となるんですが、今回はプラモデルを開発する人と、そのご相談をする人が鳥山さんという同一人物なんです。立体化のライセンスをおろす人と、おろされる人が同じなんですね。『メガミデバイス』では、ビジネス面でサポートするプロデューサーはあくまで鳥山さんなので……という非常に特殊な、面白い体制で開発しています。

コトブキヤの人気シリーズ『メガミデバイス』。
昨年末に展開スタート、勢いに乗る機械少女を組み立てるプラモデルシリーズです。
第一弾は島田フミカネ氏がデザイン!

――この異例の早さでの立体化も、鳥山さんの特殊な立場が関係しているのでしょうか。

柏木:これはこういう座組だからこそ、みたいな部分がありますよね。急に企画を持ち込んでもこうはならない。まだゲーム出てないでしょ、みたいな(笑)。僕らも鳥山さんの立体物のファンですし、信頼関係もレベルが違うかたちで強い。なおかつ模型をやってもらうと言うことであれば、鳥山さんをおいてほかにないな、と。

鳥山:それはもうこのメンバーじゃなかったら、なかなかすぐやりますとは言えないです。最初のラフのデザインを見せてもらったときに「ああ、これはもう僕らでやるしかないです」と思ったので、運命ですね。『メガミデバイス』をやっていて、その素体もありましたから、まずプラモデルは『メガミデバイス』とのコラボがすぐに決まりました。でも、せっかくなのでたくさん立体化したい。そこで、やはり代表的なのは完成品のアクションフィギュアです。そして、アクションフィギュアといったら、マックスファクトリーさんの『figma』でしょ! とお話を持ちかけて。こちらもめでたくやっていただけることになりました

ゲーム、アニメーションに限らずさまざまなキャラクターをつぎつぎ
アクションフィギュアとして立体化している『figma』。
キャッチコピー「よく動く、キレイ」に偽りなしです。

清水:マックスファクトリーでも、コトブキヤさんの『フレームアームズ・ガール』や『メガミデバイス』が気になっていまして(笑)。うちでも何かしないといけないんじゃないかと。でも、コトブキヤさんはいままで“メカ+美少女”に取り組んできた歴史があってこそで、うちでは難しい……と考えていたときに、島田さん、柳瀬さん、海老川さんの結集した『アリス・ギア・アイギス』のお話をいただけたので、これは取り組まないといけないんじゃないかなと思いました。それで、鳥山さんとうちの社長、MAX渡辺は旧知の仲でもあったので、社長を説得するにあたって鳥山さんに同席してくださいとご相談しました(笑)。

鳥山:それで、私と清水さんでマックスファクトリー社長の、モデラーとしても有名なMAX渡辺さんに緊張しながらプレゼンをしまして。そしたら「おう、やれ! やればいいじゃん!」って(笑)。「御社内で何卒ご検討ください」って言っているのに、なぜか僕が社長にプレゼンして(笑)。ここでもちょっと不思議な立場ですね。

清水:我々だけでは心もとないので(笑)でも、案外すんなりいけましたね。

鳥山:歴史があって、クオリティーも高い。「アクションフィギュアといえば『figma』」という強力なブランドです。

清水:褒められすぎて、いますごく恐縮しています (笑)。

――『メガミデバイス』『figma』という、いま一番旬な二大ブランドが同時にコラボレーションするというのは、立体ホビーに興味がある人にとっても事件ですね。

鳥山:品質に関しても、どちらもそれぞれトップレベルです。そこは安心してお届けできる、良い商品になると思います。

「もう苦労するしかない(野内)」最適化されない “すごみ”を持った『メガミデバイス』吾妻楓

――それではまずは『メガミデバイス』とのコラボレーションで発売となる、吾妻楓についてお聞かせください。

メガミデバイス版吾妻楓ちゃん。とにかく圧倒的な存在感とディテールです。

鳥山:『メガミデバイス』コラボレーション一発目、ということで、同シリーズの素体を使用しています。その素体に、『アリス・ギア・アイギス』のキャラクターを被せていきました。ただし、ただ被せるだけじゃなく、現在発売されている『メガミデバイス』と、すべてパーツは互換性があります。混ぜて遊んでくださいね、というつくりですね。

――今までのアイテムの遊び方を広げることもできる、しっかりしたコラボレーションなんですね。

鳥山:『アリス・ギア・アイギス』『メガミデバイス』両方にバリューのあるコラボレーションです。大きさや部品を差し込む3mm軸穴もすべて一緒です。武器の持ち替えはもちろん、頭部や脚部の付け替えも自由自在になっています。

――キャラクターデザイナーの島田さんが『メガミデバイス』にデザインを落とし込むとき、ご苦労されたところはどこでしょう。

島田:『アリス・ギア・アイギス』のデザインは、基本的にこのサイズの組み立てフィギュア、それもプラモデル前提に最適化されたデザインではないんです。線は多すぎ、面も多すぎ、色も多すぎと三重苦なんです(笑)。

鳥山:髪の毛も肩にぶつかるし、パーツも腰にぶつかるし……(笑)。

島田:背中のパーツは浮いているし(笑)。そういうところはすごく苦労をかけました。でも、完成したものはすごいクオリティーになっています。これはデザインの話ですが、立体化を意識していない、最適化されていないからこその“すごみ”みたいなものがあります。初めから立体化が前提の商品では、こんな100パーセントも 120パーセントも踏み込んだデザインにはできない。立体化を気にせずに描いたものが、全力で作ってもらえるとこうなるんだ、みたいな嬉しさはありますね。密度感があって、立体物として気持ちの良いものになっています。

――そんな踏み込んだ島田さんの剛速球が、野内さんに飛んできたんですね。

野内:もう本当にそのまま飛んできましたね。分割も、色分けも、大変だねと。「このパーツはどこで分割するのかね」というので、社内の開発はだいぶ難航しました。でもそれに関してはずいぶん解決したかたちで、この通り原型になっているのでこのままいけるかな、と思っています。

鳥山:パッと見気づかない程度に、ものすごいプラモデルアレンジを島田さんにお願いしているんです。問題点をコトブキヤさんから聞いて、じゃあ島田さんよろしくお願いできますか、と。

島田:つどつど、問題が起きるたびに対処しています。例えば、プラモデルになったとき、武器が手で持てるかどうか。今回特に大きな武器を手首だけで持っているので、腕全体で保持するフレームをデザインしましょう、とか、足首の構造をプラモデルに即したものにしたり、背中に浮かぶギアのアームのデザインラインを決めたり……そういうデザインを提供しています。

足首のデザインは構造を優先して描き下ろされたものに。

島田:でも、全体ではゲームでの3Dモデルがあるので、大きな解釈の問題が生まれず楽でした。また、ゲームだとテクスチャーで描かれている部分は、凹んでいるのか出っ張っているのか、という部分も立体になるとしっかり形になって出てくるので、見栄え的に面白いところです。

鳥山:見栄え的に面白いといえば、楓ちゃんはやはり髪です。驚異の……何分割だろう。

野内:前髪だけで3パーツに分けていますね(笑)。髪は柔らかいPVCという材質にするというアイデアもあったんですが、ちょっと重いので首の関節が負けてしまうんです。なので、ここはプラにこだわりました。

執念の分割で完成した頭部。これはぜひ製品版で組んでみたいです。

鳥山:プラモデルは、出来る限りプラスチックで終わらせるのが、質感の再現、スケール感の統一という意味でもやはり綺麗です。「スカートだから布にしましょう」というわけにはなかなかいかないんですよね。なのでここは、デザインをそのまま、ぎりぎり可動できる短さにさせてもらっています。

島田:このスカートも、もしほかのデザイナーが(プラモデル用に)このデザインを上げてきたら、「可動できるわけがないだろう」って思っていますね(笑)。

腰回りのデザインとバランスも、変更となっています。もちろん島田氏の手を経てのもの。

野内:こうして生まれた島田さんのデザインはすごい密度ですが、これだけのデザインだと、入るディテールは多ければ多い方が良いんです。大変ですけど難しいことではないので、0.15ミリまではモールド線は引けるのでそこまで詰めていくのも、まぁアリかな、と作業を続けています。色分けは、どのパーツをどの色にするかという分割の勝負になってしまうので、もうこれは苦労するしかないですね。お客さんが組み立てたとき、バラバラにならないよう、いまそれを出来る限りやっています。

鳥山:あと、『figma』とも共通になりますが、立体としての遊びのために、もとデザインにない3mm軸の接続穴をちょこちょこ追加しています。これも島田さんに「ここに穴を開けていいですか」と提案して、「ちょっと目立つのでここはやめましょう」とか、「開けるならこんなデザインにしましょう」とか、やりとりをして進めています。これもいつもお世話になっている島田さんなので、遠慮しないで「デザインを調整させて」と言えたのが良かったですね。

島田:一緒にやっている期間が長いから、無理なものは無理といえますし、知っていますしね。アレンジにあたって、できるだけもとのデザインから変えない。変えるならどれくらいもとのデザインに馴染ませられるのか。お互いそういうことを自然な作業として今までやってきたので、迷いとか対立もなくスムーズにいけました。

武装には3mm軸穴が開いており、その周りにもディテールが。

野内:3mm軸の接続穴は、近年の模型業界では比較的浸透しているフォーマットです。展開中の『M.S.G』だったり『フレームアームズ・ガール』だったりとも互換性があるので、ゲームと設定は違いますが、もっと楽しく遊んでほしい、ということで追加しています。

【注記載】
『M.S.G』……モデリング・サポート・グッズ。コトブキヤの展開する汎用プラモデルサポートアイテム
『フレームアームズ・ガール』……コトブキヤの展開するメカ美少女プラモデルシリーズ

「本当の意味でコラボレーション(清水)」となる『figma』史にも重要な比良坂夜露

――『figma』でリリースされる比良坂夜露はいかがだったのでしょう

清水:もちろん夜露ちゃんも3mm軸の接続穴を搭載するのですが、一番困難だったのは、『figma』でこういった、カスタマイズを前提とした商品がおそらく初めてだった、ということなんです。特定の何かでなく、汎用の軸穴が存在する、カスタマイズの要素が入ったアイテムが今までなくて……これが1番最初になるかと思います。

こちらも可愛い『figma』比良坂夜露。完成済みアクションフィギュアとなります。

――初の、本格的なカスタマイズが楽しめるアイテムなんですね。

清水:はい。そして、『figma』を『figma』たらしめているのは、なによりもこの関節パーツを使うことなんです。きちんと保持できて、なおかつスムーズに動く『figma』関節の存在です。でも、その関節のせいでボディーのあらゆる場所に余地がないんです。『figma』の関節は軸が上下に伸びていて、たとえば肘なら、下腕と二の腕にもう軸が入っています。

この優秀な関節部分が『figma』たる所以です。ぬるりと動き、ピタリと止まります。

清水:そのため、二の腕や手首に『メガミデバイス』さんと同じように、3mm軸穴を開けるのは難しい。そのスペースにはもう『figma』関節が入っています。じつはここが一番苦労しているところです。このコラボレーション企画は『アリス・ギア・アイギス』さんとはもちろんですが、『メガミデバイス』さんともブランドは違えど、しっかりパーツの互換性をつけてコラボレーションしたい。

――立体同士でも、しっかりしたコラボレーションに。

清水:なのですが、頭部や腕の接続方法もいままったく異なっていまして。夜露ちゃんと楓ちゃんでは、腕の接続も全く違うんです。こういったところをどうするか、いまは3Dのデータ上でいろいろやっている段階です。たとえば上腕だけでも、これくらいの量を試作して、これでもダメ、あれもダメ、と。

試作だけでこの量! 一同驚いてしまいました。

――これは大変なトライアルですね……!

清水:見た目はほとんど変わらないんですけど(笑)。中の関節を差し込む角度が変わっていたり、位置をずらしてみたり。日々検討しながら何とか互換性を持たせることを目指しています。ただ、大変なことばかりではないんです。コトブキヤさんの楓ちゃんが立体として完全に先行しているので、うちでも悩みの種だった背中に浮いているギアとかは、もう解決済みなので「すみません野内さん、そのデータを使わせてください」みたいな連携も(笑)。

野内:しかも、同じデータを使い回せるという(笑)。

浮いたギアの処理には『メガミデバイス』のノウハウが投入されるそう!

清水:そういうところはコラボレーションならではの、今までにないパターン、工程なので、すごく楽しくはやらせてもらっていますし、勉強にもなっています。せっかく一緒にやっているので、こっちはこっち、あっちはあっち、という変な分け方はしたくないですね。きちんとそこに、本当の意味でコラボレーションできるアイテムにします。

鳥山:メーカーをまたいでいるのに、「じゃあお互い勝手にやりましょう」じゃなくて、あわせられるところはあわせて、お互いデータも提供しあって。コトブキヤさんとマックスファクトリーさんは、いってみればライバル会社なのですが、これに関してはがっちり協力してやりましょうね、と。お互いに互換パーツも付属させたい、という話で現在進めています。

清水:それでユーザーが喜んでもらえればと!

――比良坂夜露は柳瀬敬之さんのデザインになります。こちらの再現はいかがだったでしょうか。

清水:ゲームの開発がずっと先行していましたから、その3Dモデルデータはあったので、バランスで悩むところは本当に、一切ありませんでした。

鳥山:柳瀬さんも海老川さんもそうですけれど、3Dモデルデータを自分でいじれる方で、3Dのデータで直接やり取りできるので、非常にスムーズですね。

清水:まだこちらの原型は3mm軸のジョイントがありませんが、柳瀬さんにはジョイントをつけたいんです、とお話してデザインもいただいているので、実際のアイテムではしっかり3mm軸穴も用意されます。

――『figma』の10年の歴史の中でも、かなり特殊な立ち位置のアイテムになるんですね

鳥山:そもそもfigmaはメカ少女的なアイテムって少ないですよね。関節の入ったメカのパーツとかも珍しいですし。

清水:少ないですね。それこそかつて島田さんがデザインされたキャラクターがニュアンスとしては近いです。なので、今回この夜露ちゃんを担当している、うちの原型師もチャンスとばかり喜んでやっています(笑)。

こちらもかなり期待大のアイテムになりそうです。それにしても端正なお顔。

「買ってきてまずは素組で(鳥山)」プラモデルユーザーを『アリス・ギア・アイギス』がひろげる?

柏木:ゲームを楽しむお客さんで、プラモデルを作らない方は『figma』を買われると思うんです。『メガミデバイス』などで、プラモデルもいま新たなユーザーが広がっていると感じますが、たとえば組み立てだけでなく、塗装などまで楽しんでもらえるのでしょうか。

鳥山:組み立てと塗装のあいだには、ちょっとした断絶がありますね。やって墨入れぐらいまでかな?

清水:僕はプラモデル担当でもあるんですけど、自分の感覚からすると色を塗る人って多分モデラー全体の一割いないですよね。「ちょっとだけでも塗ると、こんなに良くなるよ」というのはぜひ知ってもらいたいですけど、『アリス・ギア・アイギス』のアイテムがきっかけになればいいなと。完成品を買って、「そうか、楓ちゃんはプラモデルだけど買ってみよう」と言う人がいればまたちょっと広がって嬉しいなと。

野内:私が言いたいことをすべて清水さんが(笑)。

清水:プラモデル担当なもので、こうなると饒舌になります(笑)。

鳥山:ちゃんと塗らなくても平気なので、とりあえず買ってきて、まずは素組みで置いてもらって。そこからじゃあデカールを貼ろうとか、塗ってみようとか。そういう段階を踏んでもらえるといいですね。

野内:『メガミデバイス』の楓ちゃんは、顔のアイプリントが施されているので、デカールやシールと違ってずれたりしません。元のデザインに忠実な表情が手に入ります。こういった、「ここはメーカーとして押さえたい」というところは塗装済みで提供してます。

柏木:こういう造形物のクオリティーって、とにかくずーっと上がり続けているじゃないですか。美少女のフィギュアは最初から考えるとどれだけ進化したんだろうと。

鳥山:しばらくプラモデルに触っていない人こそ、触ってみてほしいですね。すごい衝撃を受けると思います。

野内:今回の楓ちゃんは、突き詰めて作っていますしね。造形面は、このシリーズでは妥協できないですから、頑張っています(笑)。




――それでは最後に、立体を楽しみにしている皆さんにメッセージをいただけますか。

鳥山:これから始まるゲームを皆さん楽しんでいただいて、楓ちゃん、夜露ちゃんとやっぱり人気が出るキャラクターだと思います。商品が出るまでずっと使い続けて欲しいですね。すごくいいものができると思いますので、プラモやフィギュアに馴染みの無い方々にもぜひ買ってもらえるといいですね。ご期待ください。

野内:鳥山さんからベストの原型が出来上がってきたので、あとはこれをそのままお客様にご提供できるように、開発がんばります。というところですね、はい。

清水:夜露ちゃん、いま立体としてお見せしているものより、さらにグレードアップしたものを近日中には皆さんにお見せします。ゲームが出た暁には、夜露ちゃんをお迎えして、待っていていただければ思いますので、よろしくお願いいたします。

――本日はありがとうございました!

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