これまでのあらすじ
THE STORY SO FAR
Episode 0
Gravity Horizon
天に白の王国、地に黒の王国。世界の在り方ごと破壊した大崩壊から時は流れーー
世界は、果てなく広がる海に無数の島が浮かぶ姿へと形を変えた。その世界で新たな秩序をもたらそうとするものがいた。神獣エヌマ。エヌマはマニトの族長ユベルと、メナスの族長ニエルに、均衡を保つための力を授けた。
エヌマに対抗する神獣討伐軍を率いるフィエゴは、ある島で見つけた黒髪の少年にエヌマの行いを語り、アジトへと連れ帰る。そこで少年はレヴやオルエン、ルチアーノといった人々や、レヴの使役する大精霊アピスと交流を持つ。
レヴとアピスと戦うには、力不足だと感じたユベルとニエルは、エヌマから新たな力と翼を授けられた。と同時に、反逆者たちを循環から排除するよう命じられる。
一方、神獣討伐軍もまた、エヌマに対し決戦を挑もうとしていた。戦争は数であり連続する一対一の闘いでしかないと考える人々に、フィエゴは戦術を教える。黒髪の少年は、少数精鋭でエヌマを討つため、フィエゴ、レヴと共に別働隊として行動することになった。
兵を率い神獣討伐軍の本拠地を攻めるユベルとニエル。両軍が激突するが、討伐軍の主力の不在に気付いたユベルは、フィエゴの考えを読み、ニエルを連れて戦場を離れる。残された戦場では、授けられた戦術を忘れ血に狂う者が続出し、討伐軍は崩壊するが、オルエンの命をかけた反撃により痛み分けに終わった。
フィエゴたちに追いつき、戦いを挑んだユベルとニエルは、黒髪の少年に命を救われる。そして、エヌマからの指示に疑念を抱く二人は、フィエゴの説得により、共に歩むことを決めた。どことなく姿の似た少年とユベルを中心に、交流を深めながら一行はエヌマのもとへと向かう。
己が描き導く世界こそが正しいと信じるエヌマと、世界を人の手に取り戻さんとする一行の戦いは、黒髪の少年の一撃で幕を下ろした。しかし、勝利に浸る間もなく、フィエゴが豹変する。エヌマとアピスの因子を奪ったフィエゴは、エヌマを討った行為を嘲笑い、一同を圧倒した。そのフィエゴの一瞬隙を突いた少年の全力の一撃が、フィエゴを両断する。力を使い果たした少年の髪は黒から赤に変わり、少年は倒れるのだった。
両断されたフィエゴは、自らを二人に分けた。そして、少年を連れ何処かへと消える。残ったもう一人もまた、何かを呟くと町を破壊し、姿を消すのだった……
残されたレヴ、そしてユベルとニエルは、姿を消したフィエゴに対抗するため手を取り合うことを決めた。生き残ったルチアーノは、エヌマのもたらした死生観を使い、人を繋げていくことを誓う。そのために、口舌の徒としての名<オズマ>と共にその意志を受け継がせていくことを決めた。ユベルとニエルは、エヌマから受け継いだ力の研究を始め、レヴもその研究に力を貸す。
ユベルとニエルは、自分の部族マニトとメナスを統合、一つの組織とした。アピスに組織の守り神として役職を与えたレヴは、フィエゴに力を奪われたアピスの回復を願い、ラデルテの泉で別れを告げ、アピスを休ませるのだったーー
世界はまだ知らないーー
解き放たれた悪意と、
逃げることの出来ない因縁のーー
ーー<始まり>をーー
Episode 1
Runaway Horizon
クロカとシローは、雲海に隠された島でのびのびと暮らしていた。
予言の子と呼ばれ、古の英雄の血を最も濃く受け継ぐ二人が12歳になると、
島に本拠地を置く介入組織アテル・ラナの長となるべく、本格的な修行が開始される。
大精霊アピスの下で賑やかに修行し、世話役のピラウとペルマナの目を盗んでは、 逃げ出したり遊んだりしながら成長していく二人。
ある日、アテル・ラナの任務でアピスが不在時に、
クロカとシローは子供たちをさらおうとしていたナーペルと遭遇してしまう。
初めての悪意、初めての実戦、急に襲い来る現実に必死に抵抗する二人だが、
催眠にかかった子供たちを標的にされ万事休すと思われた。
その時、戻ったアピスとともに駆けつけたピラウとペルマナに助けられ、事なきを得る。
長として自分たちに求められる強さを理解し、
さらなる成長の必要性を体感したクロカとシロー。
修行の確かな目的を得はしたが、相も変わらず逃げたり遊びを挟みながら、
徐々に、しかし着実に成長を遂げていくーー?
そして5年の月日が流れーー
17歳になったクロカとシローに、アテル・ラナの長となる日が訪れる……
が、逃れ得ぬものを感じながらも、『受けかねる』と抵抗を試みるのだった。
二人はまだ知らないーー
広がる世界で待ち受ける出会いと、
いずれ訪れる世界の命運を決するーー
ーー<選択>をーー
Episode 2
Extend Horizon
17歳になったクロカとシローは、ドミティア島を本拠地とする介入組織アテル・ラナの長の座を、予言者ル=グインから譲られたが、「受けかねる」とごねた。
その結果、<統領研修中>という締まらない肩書を与えられる。
時を同じくして、ドミティア島を訪れた法王オズマは、アピス、ル=グインとともに、アピスの元弟子サニオから宣戦布告を受ける。
これに対し、アテル・ラナとレディ・キラーは合同で対処に当たることに。ここに二つの秘密組織を中心とする大規模作戦が実施されることとなった。
多数の冒険家たちがドミティア島を訪れ、クロカとシローは緊張しながらも交流を持つ。一兵士として参加することになったクロカとシローは、闇の王の後継者セレナと元退魔士のメア、そして飛行島の冒険家たちとチームを組むことに。しかし、10のチームによる各島の同時攻略作戦決行の朝に突然、アテル・ラナの鉄砲玉と呼ばれるイツァークがチームに合流した。セレナとイツァークの間に流れる不穏な空気を感じながら、一同はドミティア島を出発することとなる。
初めてドミティア島を離れるクロカとシローにとって、全てが初めての体験であった。セレナとイツァークのちょっとしたいさかいはあれども、個々の力で戦闘をこなしていく一行。クロカとシローも実戦での動き方を学んでいく。辿り着いた町では、宿を取る、情報を集めるといった基本的なことでも二人はキャトラの指南を受けるのだった。だが翌朝、イツァークが姿を消したことで事態は急速に動き始める。
イツァークを探すため、一行はバラバラに行動することとなった。そんな中、クロカとシローの前に現れた男は、二人をある場所へと連れていく。
一方、魔物に囲まれるイツァークを発見したセレナの前にサニオが姿を現す。サニオは二人の心の傷をえぐり、戦意を喪失させる。剣を置こうとする二人は、駆け付けたメアに助けられ、サニオを撃破することに成功。崩れ落ちる地下からなんとか脱出し、一応のミッションの終了を迎えたのだが、不安は募るばかりだった……
そして、クロカとシローは、男に連れられ長い長い階段をひたすらに下りていた。出発の際にアピスから渡されていた魔法のジャーキーを噛み、アピスを呼びつつ男についていく二人は、大空洞で一人の女性と出会う。そこに追いついたアピス、ピラウとペルマナ。だが女性を目にしたアピスは言葉を失う。そしてーー
二人はまだ知らないーー
再会の代償と、
失ったものを取り戻すためのーー
ーー<決断>をーー
Episode 3
Crisis Horizon
アテル・ラナとレディ・キラーの合同作戦で訪れた島のはるか地下深くの大空洞で、謎の女性と対面したクロカとシロー。駆けつけたアピスは、女性の顔を見て言葉を失う。彼女の名はイズネ、サニオと共に島を出たアピスの元弟子。しかしその容姿は、かつてのアピスの主レヴに瓜二つであった。イズネの言葉で喋ることも動くことも出来なくなるアピス。サニオの言葉で、自分たちに流れる血に、受け継がれてきた力に疑念を抱いてしまうクロカとシロー。サニオの呼び出す魔物を前に、ピラウとペルマナは身を挺して三人を逃がすことを決意するーー
ようやく己を取り戻したアピスの力でドミティア島へ逃げ帰った三人。ピラウとペルマナは、いつまで待っても帰ってはこなかった……
セレナたちの倒したサニオは本体ではなかった。各チームが攻略に向かった島からも、サニオの目撃情報が続々と届き、セレナたちは援護に向かう。
一方、クロカとシローはサニオの言葉を思い出していた。自分たちが受け継いだとされる<再誕>の力で、ピラウを、ペルマナを、子供たちを、救えるかもしれない。二人はアピスとル=グインに説明を求める。
その頃、イズネはサニオのもとを去る。命を救われた恩よりも、子供たちを犠牲にし、何を見ているのかわからないサニオへの疑念が勝るのだった。
アピスとル=グインから、<再誕>の力を使えば命を落とすことを知らされたクロカとシロー。地平を循環するソウルが最も濃く交わる<その時>に、互いのソウルをぶつけ、マニトとメナスの血脈に眠る<鍵>を目覚めさせる。成功すればどちらかが、失敗すれば二人とも命を落とす。それでもやるのだと、二人は決意する。
クロカとシローは、それぞれに思いを巡らせ<その時>を待つーー
その裏で二つの事件が起きた。
ル=グインに誘われた赤髪の冒険家は何処かへと姿を消す。彼を探すアイリスとキャトラも、飛行艇でドミティア島を離れる。
そしてアピスの前には、サニオのもとを去ったイズネが現れた。イズネの帰還を受け入れたアピスは、イズネがその姿を模した人物、今も敬愛する主レヴについて語る。サニオから<再誕>について聞かされていたイズネは、協力を申し出るのだった。
そして、その日はやってきたーー
ピラウとペルマナを、子供たちを、自然を、人々を、みんなが笑顔になる世界をーー
様々な願いを込め、クロカとシローが激突するーー
二人はまだ知らないーー
葛藤と逡巡の末に
命をかけた選択のーー
ーー<結末>をーー