
- 同窓会
- 2026/09/11
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ある日の放課後――
先生:はあ......御剣先生は相変わらず人使いが荒いな。
授業の備品なら、自分で取りに行けばいいのに
先生:......んっ? 教室の中から葉っぱが?
でも、この教室は......
みき:あっ、先生!
先生:お......みきじゃないか。
いったい何をしてるんだ? こんな――
みき:もう使われてない教室......
かつての星守クラスで、ですか?
先生:......うん
みき:だったら、先生もですよね?
どうしてこんな場所に?
先生:ドアから、この葉っぱが出てきたんだよ
みき:え......。
その葉っぱ、まるで神樹さまの......
先生:なんか変だな。
窓も閉まってるのに
みき:......そうですね。でも、私も近くを通ってたら
急にこの教室が気になって、つい見に来ちゃったんです
みき:もしかしたら、呼ばれたのかもしれません
先生:みき......
先生:お前って、そういうタイプだったっけ?
なにか悩んでるなら力になるぞ
みき:なっ、なにか誤解してませんか!?
感想として言っただけですっ!
みき:先生とふたりで話すのも久しぶりな気がしますし。
こんな偶然、あんまりないなって!
先生:まあ......そうだな
先生:「星守クラスが役目を終えて、
明日葉たちが学校を卒業して......
みきたちが2年生になってから、もう結構経った
先生:最近、みきはみんなと話したか?
みき:うーん......
もちろん会ったら話はしますけど......
みき:前みたいな感じではないかもしれません。
やっぱりクラスが別々になると、
話す機会も減っちゃうから
先生:そうか......
みき:でも、ちょっとびっくりしちゃいました
みき:もう間違えてこの教室に来ることもなくなったし、
朝は普通に授業を受けて、放課後になったら
話題のお店に寄り道して帰って......
みき:そんな『普通の高校生』って感じの生活が
当たり前になってるんですけど、
ここに来たら、鮮明に思い出せたんです
みき:「朝、遥香ちゃんが次の授業の予習をしてたり、
ひなたちゃんが桜ちゃんに
道端に咲いてた花の話をしてたりする姿とか――
みき:そんな中先生が入ってきて
『今日の特訓はこれだ!』って発表して、
みんなでゲッソリしたりするところとか
みき:そういう、あのときの光景が、ハッキリと
先生:みき......
みき:縄跳び8時間とか、ダンス4時間とか、
今考えると先生たちに言われる特訓って
本当にキツいものばっかりでしたよね!
先生:そ、それは......ほら。
御剣先生が見てたりもしたからさ
みき:ふふっ、せめてるわけじゃないですよ。
私にとっては全部いい思い出になってるので!
みき:あっ、いつものメニューのほかに、
神樹祭の時は別の特訓なんかもしましたよね。
メイドさんになって、お見送りの所作とか!
先生:あったな......。
あれも7時間くらいやってたっけ。
......と考えると、やっぱりちょっと普通じゃないな
みき:あの頃は、普通じゃないことが当たり前でしたよ。
先生がお湯になったり、チョコになったり、
ナマコになったりもしてましたし
先生:......言われてみればそうだ。
普通じゃないのは僕も同じだな。
たしかにあの頃はいろんなことが――
???
(あんこ)なんだか楽しそうじゃない
先生:え......この声......
みき:うそ、まさか......

明日葉:久しぶりだな、みき
蓮華:先生も、元気にしてましたか~?
みき:明日葉先輩たち!?
どうしてここに......!
蓮華:あら、聞いてなかったの?
蓮華:この前3人で会った時に思い出話で盛り上がって、
久々に神樹ヶ峰学園に顔を出してみようって
話になったの♡
明日葉:突然伺ったらご迷惑になると思ったので
先にご連絡して、御剣先生に許可を取ったのですが、
もしかして......
先生:あ、ああ。初めて聞いたよ
先生:でも、僕にここに授業の備品を取りに行ってこいって
言ったのは御剣先生なんだよな
先生:だからもしかしたら......
これは、先生のサプライズなのかも?
あんこ:だとしたらあの人、全然変わってないわね......。
今も担当クラスの子を振り回してるのかしら?
先生:まあ......授業中、たまに悲鳴は聞こえるな。
それと、事態を治めに行く八雲先生の声も
あんこ:脳内再生余裕すぎるでしょ
蓮華:ふふっ、懐かしいわねぇ。
先生が特訓のため、って言って
いろんな機械を作ってくれたのもよく覚えてるわ
みき:覚えているというか、忘れられないというか......
あんこ:だいたいいつも、機械が暴走して終わり、だったものね
明日葉:だが、おかげでトラブルへの対処能力がついた。
......そう考えると、理に適っていたともいえるな
あんこ:結果論でしょ、それ
先生:......なんか、再会したばっかだっていうのに
さっそく思い出話をしちゃったな。
3人は元気でやってたのか?
蓮華:もちろん元気よ~♡
みきちゃんも先生も、
聞くまでもなさそうで安心したわぁ♡
あんこ:でも、ワタシたちのことを聞いてなかったのに
こんなところにいるなんて......
あんこ:ふたりでなにをしてたワケ?
この教室ってもう、使われてないんでしょ?
みき:あ、それは偶然だったんです。
私も先生もたまたまここを通りがかって
あんこ:さらに偶然、ワタシたちと出会ったって?
明日葉:ずいぶんな巡りあわせだな
みき:......やっぱり、呼ばれたのかも
明日葉:『呼ばれた』?
みき:あっ、変な意味じゃなくて!
みき:私も突然この教室が気になったし、
先生も、不思議な葉っぱに誘われて
ここに入ってきたみたいだったので」
みき:その葉っぱが神樹さまのに似てたので
もしかしたら神樹さまに呼ばれたのかな~、なんて
あんこ:神樹......
蓮華:でも、神樹さまはもう消えちゃったわよね?
明日葉:ああ、星守が役目を終えたのと同様にな
明日葉:見てみろ。ここから見える景色も、
私たちがよく知ってるものとは違う
あんこ:......そうね。
あのときは、この窓から大きな神樹が見えた
あんこ:今は、空が広いわね。
なんだか吸い込まれそうで――
あんこ:見てると授業中、よく眠れそう
明日葉:そんなことをするのはお前だけだろう
先生:あんこは、大学に行ってもそんな感じなのか......?
あんこ:ちょっと、人を憐れむような眼で見るのは
やめてくれる
あんこ:これでもワタシ、かなり成績はよくて
いろんな人たちの注目を集めてるんだから。
主にネット分野のほうでね
あんこ:この学校でくすぶっていたワタシも
場所を変えたら輝けるのよ。
......外の世界っていうのは広いわね」
みき:わあ......すごいですね、あんこ先輩!
明日葉:あんこはもともと、
そういうのが得意だったもんな
先生:......そういえば、がんばって作ったものを
くるみに壊されてたこともあったっけ
みき:くるみ先輩、機械と本当に相性が悪かったですもんね
あんこ:あの子にパソコンを壊されたの、
1度や2度じゃないわよ
あんこ:卒業するころには、
あの子の前でパソコンを出さないように徹底してたわ
明日葉:そんな対策をしていたなんて、知らなかったな
蓮華:でも、くるみちゃんも......
望ちゃんもゆりちゃんも、懐かしいわぁ♡
明日葉:f*fのふたりが活躍しているのは
今もテレビでよく見かけるが、
みんな元気でやっているのか?
みき:はい、元気ですよ!
花音先輩たちだけじゃなくて、
楓ちゃんとか、桜ちゃんたちも、みんな!
明日葉:それを聞いて安心したよ
あんこ:でも、今にして思えば、
あんな人気アイドルと一緒のクラスで
高校生活を送ってたなんてね
蓮華:めったにできる経験じゃないわよねぇ。
そもそもふたりとは最初、
敵同士みたいな関係でもあったし
明日葉:そうだったな......。
あの頃のふたりは、星守を信用していなかった
明日葉:だがいろいろあって、あのふたりも星守になって
この学校に転校してきたんだよな。
おかげで、仲も深められて本当によかったよ
蓮華:星守クラスに転入生が来るなんて
想像してなかったものね
先生:僕もだよ。
......でも、転入生ならもうひとりいたな
みき:ミサキちゃんですね!
みき:ミサキちゃんも最初はすごくツンツンしてたけど、
みんなと過ごすうちにいろんなことがあって、
最後にはすっごく仲良くなれて、本当によかったです!
先生:ああ、そうだな
先生:(まあ、僕には最後まで
ツンツンしていた気もするけど......)
明日葉:......ミサキも、元気でやっているといいな
みき:きっと元気ですよ!
確かめる方法はないけど――
みき:絶対そうだって思えるんです。
だって私たち、心で繋がってるような気がするから
みき:......なんて!
そんなこと言ったらミサキちゃんに
気持ち悪がられちゃいますかね!
あんこ:......ミサキはよろこぶんじゃない
蓮華:そうね。ミサキちゃんにとっても、
みきちゃんは大切な存在だもの♡
みき:えへへ......
蓮華:でも......れんげたちにとっても、
みきちゃんは大事な子なのよ?
みき:へっ?
明日葉:そうだな。
思い出話もいいが、今のみきの話も聞きたいものだ
明日葉:来年は望たちも卒業して、
お前たちが最高学年になるだろう
みき:あ......
明日葉:ちゃんと、下級生の面倒を見れるのか?
もっとも、お前にできないと思っていないが
みき:......もちろん、1番の先輩として
責任を果たすつもりですよっ!
みき:先輩たちが卒業するとき、
私が先輩たちの意思をつぐんだって決めましたから!
みき:ただ――
みき:明日葉先輩みたいにやれるのかな?って考えると
ちょっと......不安はあるかも
明日葉:みき?
みき:......正直、わからなくなってるところがあって
みき:星守でいたときは、みんなを守るためには
ただイロウスを倒せばよかった
みき:だから、『強くならなくちゃ』って......
強くなればみんなを守れるから、って
がむしゃらになってました
みき:でも、今は......イロウスもいなくなって、
私、なにからみんなを守ればいいのかなって
みき:今、この状況で、私は明日葉先輩みたいに
みんなの支えになれるのかなって
みき:......そう思っちゃうんですよね
先生:(......そんなことを考えていたのか)
先生:(でも――)
蓮華:別に、いいんじゃないかしら
みき:蓮華先輩......?
蓮華:明日葉を目指す必要はないと思うわ。
だって明日葉って無鉄砲で、
たまにドジしちゃったりもするし
明日葉:れ、蓮華!?
蓮華:でも、それは明日葉のやりかた。
明日葉の『守りかた』なのよね
蓮華:だから、きっとみきちゃんにとっては違う。
みきちゃんには、みきちゃんの守りかたがある
蓮華:大事なのは、みきちゃんが
『誰かを守りたい』って気持ちを
変わらず持っていること
蓮華:それがあるから、みきちゃんはみきちゃん。
明日葉は明日葉で、どっちも違って――
蓮華:と~~ってもカワイイと思うわぁ~~♡
みき:ひゃあっ!!
れ、蓮華先輩、苦しいです~~!
明日葉:ぐっ......離せ、蓮華!
あんこ:ちょっといいこと言い出したと思ったら、相変わらずね
先生:まあ、これもこれで蓮華らしいな......
先生:(でも、実際そうだ)
先生:(みきは明日葉にこの学校を託されたけど
明日葉の意思が呪いになってはいけない)
先生:(星守だったときと今では、状況が違う。
みきは、みきのやりかたで
みんなを守っていければいいと思うし――)
先生:(それができない子じゃない。
それだけは、確かなことだからな)
明日葉:はあ......はあ......
しんみりしているところを台無しにされたな
みき:でも、蓮華先輩の『ぎゅ~!』も久しぶりだったので
ちょっと懐かしくなっちゃいました
蓮華:ふふっ、いつでもおかわりあげるわよぉ?
蓮華:そ・う・だ♡
先生もどうかしら?
現役女子大生の『ぎゅ~』、ほしいですかぁ?
先生:遠慮しておきます。
あの頃とはコンプライアンス的なものも
かなり変化しておりますので
蓮華:やん。そんなの、先生じゃないわぁ
あんこ:これ以上掘り下げるのは、
ワタシ的にもちょっと危険な香りがするわね
あんこ:バニーガールとかの格好をしたのもそうだけど、
ナマコになった先生にもいろいろ言いたいことがあるし
あんこ:そ、そうだ、思い出したわ。
温泉のお湯になったときなんか、
ワタシたちのあんな姿やこんな姿を......!
蓮華:あんな姿といえば、
合宿所でお風呂に入ってるとき、
たまに先生の気配を感じたような――
先生:そそそそその話はやめよう!
掘り下げるのは危険ってあんこが言ったんだぞ!?
みき:ふふっ、いいじゃないですか!
せっかく集まったんですし、
みんなであの頃のことたくさん話しましょうよ!
みき:みんなで材料を持ち寄って、
お鍋を作ったりしましたよね!
明日葉:そんなこともあったな。
......あのときはみきの持ってきた材料に
度肝を抜かれたが......
蓮華:あと、先生ともたくさんお出かけしましたよねぇ。
遊園地とか、夏祭りとか♡
あんこ:......そういえば、夏になったら
必ずみんなでプールや海に行ってたっけ
みき:たしかに!
毎回水着買ってたから、3着くらいあるかも!
明日葉:あの頃は妙に水着になっていたな。
......誰か、水が好きな人でもいたのか?
先生:うぐぐ、このトークには
やっぱりいろんな意味で危険な香りはするが......
先生:まあ、せっかくだ。
今日だけは、思い出話に花を咲かせてもいいかな
おわり
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