コロカ事業

  1. 九州・沖縄地方一覧

酢飲 博多あまおう

 

186_syobunsu_01.jpg

まろやかな"酢"

さっぱりと口を清めてくれて、体にもいいとされる「酢」。もともとは、お酒が酸っぱくなってできた偶然の産物ですが、魚や野菜の保存性を高めるなどの効用もあり、日本でも太古から親しまれてきました。世界的に見るとその歴史はさらに古く、紀元前5000年にはすでに存在したと言われています。

そんな酢にも実は色々な味があります。つんと鼻にくる酸っぱさが苦手な方もいるかもしれませんが、時間をかけてじっくり発酵させてつくった酢は、とてもまろやか。それを味わうことのできるのが、福岡県「庄分酢」の酢です。300年以上前から続く伝統的な酢づくりを拝見しに、福岡県大川市へ向かいます。

 

186_syobunsu_02.jpg

庄分酢へのアクセス

筑後川のほとり、大川市は家具の産地としても有名です。大分県日田の材木が川を下って大川まで運ばれ、家具造りが行われました。そうした職人が数多く住んだという庄分酢のエリアは、今もくねくねと細い道が続き、大川ではもっとも古い町並みが残る界隈です。

飛行機で向かう場合は、福岡空港より佐賀空港の方が距離としては近いです。最寄りの駅は西鉄天神大牟田線の蒲池駅ですが、JRの佐賀駅から西鉄柳川駅行のバスが出ていて、大川樟風高校前で降りると徒歩11分。西鉄柳川駅からは、中原高木病院前で下車して同じく徒歩12分ほどです。

車の場合は、長崎自動車道の東背振インターより約40分、九州自動車道の八女インターより30分です。国道208号線「花宗大橋」交差点から入り、明治橋の交差点を直進し、2つ目の細い道を左折し少し入った細い道沿いに庄分酢の立派な建物があります。

 

186_syobunsu_03.jpg

築250年の個性を磨く

庄分酢に到着してまず目を奪われるのは、築250年の立派な店構えでしょう。昔ながらの町家造りで、通りに面して土間と売り場があり、奥が酢をつくる工房。そしてその隣が代々庄分酢を営んできた高橋家の住居で、現在は14代目社長の高橋一精(かずきよ)さんの住まいです。

店としても、住まいとしても現役で使われているのがたいへん珍しいそうで、大川市の文化財にも指定されています。

「僕はここで生まれ育ったものですから、価値があるも何も、もう見慣れてしまっていますが」と笑う高橋さん。この古さを庄分酢の個性として大切にしようと、改めてこの古民家の良さを見直し店づくりに活かしています。

share
  • Facebook
  • X