コロカ事業

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岐阜県高山市 「角一」を訪ねる


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味噌へのこだわり

日下部味噌醤油醸造の味噌・醤油造りは、明治23年の創業から現代に至るまで、その製法はほとんど変わりません。

といっても、機械化・合理化を否定しているわけではありません。手間をかけて作るからこそできる味わいを大切にしたい、その思いで手作りにこだわっておられます。

 

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大量生産される市販の味噌は、ステンレス製のタンクの中で、人為的に温度管理され、2~3カ月で商品となります。
一方、日下部味噌醤油醸造では創業当時から使われている木桶の中で、四季の温度変化を受けながら、丸一年かけて熟成発酵されます。
「一番大事にしているのが、手作りでしか出せない味と香り。各家庭で手作りしたような昔ながらの味噌の風味を味わってほしい。」

日下部社長の言葉には手作りにかける思いがこもっています。
明治・大正時代の木桶が眠る味噌蔵に入ると、2mを超す木桶の存在感と、辺りに漂う味噌独特の香りに圧倒されます。
100年以上経っているにもかかわらず、朽ちることなく味噌をたくわえ続ける木桶。桶1つにつき、4tもの味噌が収まっているそうです。

 

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「木は生き物ですから、桶も呼吸をしているのです。」と日下部社長。発酵食品である味噌と共に呼吸する木桶は、温度湿度の管理という面でも理想の素材なのだと教えていただきました。
こだわりをもって作られる日下部味噌醤油醸造の味噌。最大の特徴は、「焼いて食べられる」ことです。

粗悪な味噌を焼くと、苦みや焦げた臭いが目立ってしまうのですが、昔ながらの素材と造り方をした味噌は、焼くことでより一層香りを楽しむことができます。

また、火をいれることによって煮詰まり塩分が濃くなりがちなところ、高山の味噌は塩分が控えめのため、味噌本来のうまみを損なうことがありません。
「例えば、飲みすぎた次の日にお味噌汁を一杯飲んだら体がしゃきっとし、心がほっとするでしょう。その感覚を忘れないでほしい。」
とは、日下部社長のお言葉。味噌に対する思いが込められているのが伝わってきます。

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