コロカ事業
能登の魚醤いしり
- 店舗レポート
大好きな七尾のために
マリンシティ構想が立案されたころ、まだ中学生だった森山さんはそんなまちの現状を気にかけ、大好きな七尾のために将来は七尾のまちづくりのための仕事に就きたいと思い始めたそうです。
その後、森山さんは港町として有名な横浜の大学に進み、都市計画について一通りのことを学ぶと、卒業後すぐ金沢のコンサルタント会社に入社して念願の七尾のまちづくり事業に従事することになります。
創り上げるまちづくり
就職して4年目。七尾市の中心市街地活性化に関するプロジェクトを任されることとなった森山さん。それまでとは違って、「参加する」まちづくりではなくプランナーと言う立場で「創り上げる」まちづくりをすることとなりました。
大好きな町、七尾のために、プランナーとして、そして七尾出身者として、精一杯の思いを込めて計画を完成させたのですが、その過程を通してある思いを抱き始めたそうです。
「これを誰がやるんだろう」、「この計画は本当にちゃんと実行されるのだろうか」
『思い』が強すぎたせいなのでしょうか。企画を練る段階で行政、その他さまざまな人と意見を交し合い進めていく過程の中で、次第に周囲との温度差に気付いていったそうです。
マリンシティ計画の流れは横目ながらも見ていたし、就職して4年間、行政をクライアントとする仕事をいくつかこなしていた森山さんは、行政との仕事のやりにくさのようなものも実感していました。
「行政は予算もあるし権限もある。しかし、なかなか動き出さない。」
年度ごとに物事を考える場合がほとんどの行政。そのスピード感のなさを実感した森山さんは、民間として自分で計画を実行してみようという決断にいたります。
飲食店いしり亭の構想
そして平成11年6月。七尾マリンシティ運動が始まった頃から中心的に動いてずっと志を同じくしていた、「思いを共有できる仲間」計8名が株式会社御祓川を設立します。
森山さんもスタッフとして会社の立ち上げに携わりました。
「何から何まで自分たちで決断でき、そして実行できるようになってからは、面白いようにいろんなことが決まっていった。」と森山さんは話します。
そんな中で、地域の核となる施設を用意するため、寄合処御祓館という施設の中にギャラリー「葦」を設けます。
七尾の市街地活性化の足がかりになるようにと始めた「葦」でしたが、工芸品などを並べただけのギャラリーだけでは、人が集まる場所としての機能を果たせていませんでした。
赤字が続くようになり一時は閉店することも考えたそうなのですが、せっかく用意した地域の拠点を何とか継続させようと「飲食店:いしり亭」を構想します。