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長野県木曽福島 「よし彦」を訪ねる


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漆器作りの適地、木曽

漆器製造には、材料となる良質な木材の他に、湿度が必要です。
ペンキや絵の具は湿度が高いと乾きませんが、なんと不思議なことに、漆は湿度80%程度が最もよく乾くのだそうです。

木曽は、木曽の五木と呼ばれるヒノキやサワラ等の良材が豊富に産出され、雨が多いことから、漆器製造に適しており、室町時代から漆器が作られてきました。

一時大いに栄えた漆器製造業ですが、昭和30年代以降に大量生産されたプラスチック製食器に押されて衰退し、残念ながら、今では木曽福島に漆器屋は4軒ほどしか残っていません。

 

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漆器づくりと職人の技

漆器の製造方法は何種類かあり、多くの職人の技によって成り立っています。

例えば「曲げ物」。
材木を割って木目に沿ってへぎ(はぐように薄く削り取り)、板状になった木を熱湯等で曲げて加工して器の形にし、その上に漆を塗り重ねます。

 

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「くりぬき物」(またはくり物)は、木の塊をくり抜いてお椀などに加工し、その上に漆を塗ります。
塗る工程は1回ではなく、底面に防水加工を施した後、灰色の錆漆(さびうるし)など、何度も種類や手法を変えて塗り重ねていきます。

 

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「箱物」は、何枚かの板を部品として組み上げて箱状の器にし、その上に漆を塗るものです。

 

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いずれの場合も、木を器の形にするまでが木地師(きじし)、それに漆を塗って完成品にするのが塗師(ぬし)で、豪華な品なら漆の上に螺鈿(らでん)や金箔の専門の職人が細工を施します。

仕事は専門分化されており、曲げ物は曲げ物専門の職人が、くり物はくり物、箱物は箱物の専門の職人が手がけます。
同じ「くり物」でも、丸くくり抜くお椀と四角い箱型のものでは職人が違うほどです。いずれも何十年も修行を積んではじめて一人前になれる専門技術です。

 

このように分業の進んだ漆器製造において、古くから、塗師屋(ぬしや)が製造卸としてプロデューサー的な働きをしてきました。商品を企画し、木地師に木地を発注する一方、必要に応じて塗りの職人を雇ったり、表面の螺鈿や金箔などの加工を外注したりをしていたそうです。

木曽福島で今も残る塗師屋の中で最も古くから営業しているのが、このよし彦。当主の真和さんも、店舗運営や商品企画のかたわら、塗りに携わることもあるそうです。

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