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福井県吉田郡永平寺町「幸家」を訪ねる

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精進料理が発展した地

心と体にやさしい豆腐料理を求めて、福井県は永平寺町に降り立ちました。今回の目的地「永平寺禅豆腐の郷・幸家(さちや)」は、町名にもなっている曹洞宗(そうとうしゅう)の大本山永平寺(えいへいじ)が開かれた地にあります。
曹洞宗では、料理の支度や食事、掃除など生活のすべてが修行であると考えられており、特に食事は重要なものとして、開祖・道元(どうげん)によって永平寺流の精進料理が生まれたと言われています。

その中で大豆を使った料理は貴重なタンパク源として、さまざまな調理法が考案・開発され、発展してきたそうです。
そのような文化の生まれた土地でさまざまな大豆食品を製造し、健康を考えたやさしい味の料理を提供しているのが「幸家」です。

 

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あたたかい福井のおもてなし

お店までは、福井駅からえちぜん鉄道で永平寺口駅へ、さらに京福バス永平寺線に乗り換えます。我々はバスの終点・永平寺で参拝してから、お店を訪ねました。
えちぜん鉄道は無人駅が多いこともあり、乗車した一両編成の車両では、車内アテンダントさんが乗務しておりました。
我々が永平寺に行きたいことを伝えると、観光マップとバスの時刻表が手渡され、帰りの目安となるバスの時間まで教えてくれました。駅

に着くと、バス停までの道案内に加えて「いってらっしゃいませ」と送り出していただき、その丁寧な仕事ぶりは、こちらが戸惑ってしまうほど。思わず優しい気持ちになったのでした。
また、永平寺からお店に向かうタクシーでも同じような体験がありました。
運転手さんは自分の会社の電話番号ではなく、帰りのバスの時間や乗り方を教えてくれたのです。
「福井に来てくれた人にいい思いをしてほしいからね。」と、旅行客の気持ちを第一に考えたおもてなしに感動しながら、いよいよお店に到着です。

 

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現実から離れた空間で

「ゆっくり食事をして、心を癒してほしいんです。」
幸家を取り仕切る高橋さんが笑顔で出迎えてくれました。
道路よりも一段高い位置にある店内からはそれまで通ってきた道が見えず、田園と深い緑の山々が視界に広がります。気持ちを切り替え、やすらぎながら食事を楽しんでもらうためにこの位置に建てられたのだそうです。

裏には竹林が広がり、四季を問わず「ウグイス」が呼びかけ、イノシシやウサギがでることもあるとか。
木がふんだんに使われた店内は暖かな明るい光に包まれ、のどかな景色とあいまって、時間の流れを穏やかに感じます。

 

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五感で楽しむできたて豆腐

途中、料理が運ばれてきたところで取材はいったん休憩。
この日いただいたのは「春うらら御膳」と、しぼりたての豆乳を使った「できたて豆腐」。
その日の朝に絞った国産大豆の豆乳を目の前で温め、固まるのを待つのですが、湯気が立ち昇り始めると、ふたを開けたい衝動に駆られます。でも、ここはしばしの辛抱。
10分ほどして出来上がり、ふたを開けてみると、さじを入れるのも躊躇するほどしわ一つないきれいな豆腐へと変化していました。
さっそく、さじですくうと、つるんとした感触が手から伝わり、味や食感の期待がいやが上にも高まります。
醤油だれと薬味が用意されていますが、ここはあせらず、最初は何もつけずに大豆そのものの風味を味わうことをおすすめします。
甘みと香りが口の中で溶けるように崩れていく食感はなんとも至福のひとときです。

 

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