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    キャラクターに命を吹き込む動きとは? モーションデザイナー座談会

    1. クリエイティブ本部 第2デザイン部 部長

      伊藤大輝

    2. 『白猫テニス』
      3Dデザイナー

      ナン

    3. 新作ゲーム担当
      3Dデザイナー

      シミー

    ゲーム制作に携わるデザイナーの仕事には、キャラクターや背景を作るだけでなく、それらに動きを与える「モーションデザイナー」や、武器や技などの効果を演出する「エフェクトデザイナー」といった専門領域があり、コロプラではそれぞれチームをつくり、専門領域を深めるようにしています。

    今回は『白猫プロジェクト』のモーションを手がけ、現在はデザイナーチームの部長を務める伊藤さん、『白猫テニス』のモーションを手がけるナンさん、新規ゲームの開発を担当中のシミーさんの3人に、知られざるモーションデザイナーの仕事について大いに語ってもらいました!

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    アニメーションの語源の「アニマ」は命という意味
    キャラクターに「命を吹き込む」仕事です

    今回は「モーションデザイナー」という仕事について存分に語り合っていただきたいと思っているのですが、そもそもどういったお仕事になるんでしょうか。未経験の人に仕事内容を伝えるとしたら?

    伊藤 よく言われていることですが、「キャラクターに命を吹き込む作業」というと伝わりやすいと思います。どんなにいい3Dモデルでも、止まったままだとただの人形ですけど、そこに動きを加えることで生きているように見えるということですよね。

    シミー キャラクターに限らず、木や雲といった背景を動かすこともあるので、「動きで表現するデザイナー」ですよね。

    ナン 「命を吹き込む」という表現は僕も同感です。「アニメーション」の語源となった「アニマ」という言葉は、「命」という意味なんですよね。それを動かすという意味合いで「アニメーション」なので、命を吹き込む大事な仕事だと思っています。

    動きをつけることで感情表現やキャラクターの性格も表現しているわけですよね?

    ナン そうですね。「勝ってうれしい」とか、「負けて悔しい」といった感情が動きで表現できますよね。逆に弱いキャラが強そうに見えたり、強いキャラが弱そうに見えたりといったギャップが発生しないように、キャラ設定と動きがちゃんと合っているかが大切になってきます。

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    コロプラでは「モーションデザイナー」と「エフェクトデザイナー」でチームが分かれていますが、かなり領域が違うのでしょうか?

    伊藤 いずれも専門性を突き詰めると、技術も必要ですし、知識も経験も必要になってきます。両方ともできればそれに越したことはないのかもしれませんが、クオリティーを追うと、それぞれスペシャリストがいたほうがいいと思いますね。

    ナン 技術的に被ってくる領域もあるんですけど、やはり専門分野が違うので、まったく別のスキルが必要になってきます。それぞれの専門性を高めていくためにも、2つのセクションに分かれていたほうがいいと思いますね。

    シミー 2つともゲームの中で目を引くものですし、かなり専門性の高いものなので、私には両方やるのは難しい。エフェクトデザイナーになる人は、もともとエフェクトに興味があった人が多いと思いますし、モーションデザイナーになる人も動きに特化した仕事がしたいという人が多いのではと思います。私自身、もともとアニメーター志望で、モーションの仕事がしたくてコロプラに入社したので、今の環境はすごくありがたいですね。

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    みなさん、どういったきっかけでモーションデザイナーの仕事をやりたいと思うようになったんですか?

    シミー 中高生の頃にCGアニメーション映画が世に出始めて、映画の『モンスターズ・インク』を観たことがきっかけでしたね。ほかにも宇多田ヒカルさんやケミカル・ブラザーズさんなどのミュージックビデオで記憶に残る魅力的な映像が増えて、音に合わせて映像が動くのが気持ちいいなって。それで「私も何か表現に関わる仕事がしたい」と思うようになり、いったん海外の大学でアートの勉強をしたあと、さらにCGの専門学校で学んだんです。卒業後はCGアニメーターとしてアニメ制作会社で5年半ほど働いていました。それからコロプラですね。

    伊藤 私には昔から大作映画を作りたいという気持ちがあったので、工業大学で、モーションに密接にかかわってくる人体の動力学に関して研究していました。ただ、大学の知識だけでは全く足りないと思い、CGの専門学校で学ぶことにしました。そして就職活動で会社を調べていたとき、得意だったモーションの技術を活かせそうだと思ったのが、コンシューマーゲームの会社でした。その後、中途でコロプラに入社して『白猫プロジェクト』と『ドラゴンプロジェクト』のモーションを担当し、現在は3Dデザイナーが所属する部署で全体を管理する立場にあります。

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    ナン 僕の場合は映像系の専門学校卒業後、映像制作会社に入りました。幅広く映像全般をあつかう会社だったんですけど、特にアニメーションに強い会社だったので、1からアニメーションを教えてもらいアニメーターとして働いていました。最近になり映像業界でもゲームエンジンを使いリアルタイムで出力する事がトレンドとなって自分でも独学で研究してみて手応えを感じました。この技術が向上してきたこともあって、スマホゲーム会社に興味が出てきました。
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    モーションは、テンポとタイミングが重要
    そこにゲームの「気持ちよさ」が生まれる

    みなさん、もともと映像を目指していたようですが、映像制作からゲームのモーションデザイナーは移行しやすいものなんでしょうか? あるいは違いがあるとしたら、どんなところですか。

    伊藤 モーションは映像もゲームも根本的なところは同じだと私は思っているので、モーションを理解していれば、すぐに移行できると思います。

    シミー 違いがあるとしたら、映像はカメラありきなんですよね。最初にカメラの角度を決めて、その画面の中でかっこよく見えていればOKなんです。だけどゲームの場合、ユーザーさまが操作をすることでキャラクターがどの角度からでも見えてしまうので、あらゆる角度で成り立つ動きにしないといけない。さらに映像はデータの重さを気にしなくてもいいですが、ゲームは随時再生されなければいけないので、データ量を考えながら作らないといけない。そういった点が違いますね。

    ナン たしかにカメラの有無は大きな違いだと思いますね。だけど、はっきりした違いというと、むしろそれくらいかもしれない。

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    中途入社の方や新卒の方がモーションの技術を高めていくために、どういった教育体制をとっていますか。

    伊藤 師匠というか、しっかりと教えられる人が隣になるようにして、直接聞いてアドバイスしてもらえるという環境になっています。新卒で初めてモーションに触れる人も多いのですが、その場合は、まずモノの根本的な動きから理解してもらうようにしていますね。たとえばボールをバウンドさせたときの動きの仕組みなどから学んでもらいます。ソフトはAutodesk Mayaを覚えてもらって、人やモンスターの動きへとレベルアップしていくという体制です。

    シミー 私が入社したばかりのときは、非常に優秀なアニメーターの方の隣の席で、手とり足とり教えていただけて本当によかったです(笑)。

    逆に、教える側の場合は、どんなふうに教えていますか。モーション作りには独特のコツがあるのではと思うんですが。

    ナン モーションは言葉で教えるのが難しいものなんですよね。テンポやタイミングが重要なんですが、「速く/遅く」と言っても、どれくらいの速さなのかは感覚の問題になってくるので伝えづらい。なるべく言葉で伝えなくてはいけないので「もうちょっとだけ、0.3秒速く」とか「ここで3フレーム溜めて、一気にバーンと出して」とか、いろんな表現を駆使して、伝わるまでコミュニケーションをとるようにしています。

    モーションは、テンポとタイミングが重要なわけですね。

    シミー 入社当初、チームリーダーの方に一つ一つチェックしてもらっていたんですが、すごく勉強になりましたね。たとえばキャラクターの初登場シーンでは動き続けているだけではダメで、いったん動きを止めて、そのキャラの見た目がしっかりわかる瞬間を作って印象付けるという演出です。動きの中に演出をロジカルに織り込んでいかないと、何の意図があるのかよくわからない動きになってしまうんですよね。

    伊藤 私はチェックする立場なんですが、その際、一番重視しているのが「気持ちよさ」なんです。特に『白猫プロジェクト』はアクションゲームなので、触っていて気持ちいいかが大事になってきます。演出もそうですが、気持ちのいいテンポになっているかをチェックしていますね。

    シミー ゲームは何回も同じモーションを見ることになるので、よほど気持ちのいい動きじゃないとイヤになってきますからね。

    伊藤 さらに言うと、動きを止めたときのポーズを重視しています。ここぞというときの決めポーズがかっこよくて、なおかつテンポとタイミングが気持ちいいモーションが作れたときは、テンションが上がりますね。自分が作ったモーションを何回も見直したりして(笑)。

    シミー 私も満足いくものができたときは何回も見直します(笑)。

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    ディテールへのあくなきこだわりが
    キャラクターをより生き生きさせる

    テンポやタイミングって、ある意味、センスや感覚の領域だと思うのですが、モーションデザイナーはどんな人が向いていると思いますか?

    伊藤 モノの動きを想像できる人、ですかね。もともと私は工業大学で動力学を研究していたので、モノの動きが想像できるんですよね。それを人の動きに当てはめたときも、こう動けばこうなるというのが、なんとなく想像できる。あくまで自分の場合ですけど、それがモーションの入り口になったんです。

    シミー キャラクターの動きに注目する人が向いていると思います。たとえばアニメのキャラがかわいく見えるのは、絵的なかわいさだけではなく、動きがかわいいからだったりするんですよね。あとは忍耐力がある人(笑)。すごく手間をかけて作るわけですが、わずか1、2秒のモーションだったりしますから。

    ナン 『白猫テニス』には「勝ってうれしい」とか「負けて悲しい」といった感情表現があるわけですけど、動きの意図がちゃんと伝わると、作り手としてうれしいです(笑)。かといって大人びたキャラがワーイワーイって飛び跳ねてると違和感がありますよね。キャラ設定と動きの意図という感覚をしっかり持っている人が向いてるんじゃないでしょうか。

    ある意味、振付師のようでもありますね。やっぱり常日頃から人の動きを観察したりしているんでしょうか?

    ナン じっくり観察しているわけではないですけど、気にはしてますね。たとえば電車の中で人を見ていても、姿勢だけで疲れた雰囲気が出ていたりするじゃないですか。人の動きをたくさん見ていると、活かすことができすよね。

    伊藤 演劇やスポーツをやっていたという人は、モーションでもいい動きを作りますね。そこで自分自身で動いた経験が活きてくる。

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    自分の動きを「鏡で見て」ということは?

    シミー 私はよくやりますね。大手のアニメスタジオだと一人ひとりのデスクに鏡が1個置いてあったりするんですよ。

    伊藤 人に頼むこともありますよ。ちょっと剣で斬るから、倒れる動きやってみてって(笑)。実際の動きはやっぱりすごく参考になります。

    ほかにはどんな経験があると、ゲームのモーション作りに活かされるんでしょう?

    シミー 銃に詳しいとかですかね(笑)。とても限定的ですけど、ミリタリーオタクの方で、サバイバルゲームをやっているとか。

    ナン コロプラにもサバゲー部がありますからね。銃の年式とかやたらと詳しい人がいます(笑)。

    銃へのこだわりがガンアクションに活かされそうですね(笑)。ほかにはどんなこだわりがありますか?

    伊藤 「揺れもの」でしょうか。長髪のキャラが激しく動いているのに、髪の毛が固まったままだと、いくら動きがよくても気持ちよくない。動きに髪の毛の揺れを合わせるのはけっこう大変な作業になってくるんですけど、それが自然にマッチした動きになると最高にうれしい。たとえば女の子のキャラが振り向いたときに髪がふわってなると、かわいい!ってなりますよね(笑)。

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    ナン そうやってこだわってキャラクターをイジっていると、ある一定のところからキャラが息づいてくるんですよね。あっ、この瞬間からこの子は生きてきたぞって(笑)。そうなると、もっとかわいくしようとか、もっとかっこよくしようと思えるようになる。そういった領域で仕事ができるのは、すごく楽しいですよね。

    伊藤 わかる(笑)。最初に話したことに戻るんですけど、やっぱり「キャラクターに命を吹き込む」ということが、この仕事の醍醐味なんですよね。自分がつけたモーションでキャラクターが世の中に巣立っていく。モーションデザイナーに限ったことではないかもしれないですけど、自分が関わったキャラが生き生き活躍しているのを見ると、自分の作品が残せたな......って感慨深いものがあるんですよね。

    本日はありがとうございました!


    1枚の絵が3Dになり、動きが与えられる――。今回の座談会で感じたのは、「モーションデザイナー」という仕事が、演出家や振付師の仕事にも近いということでした。お気に入りのキャラが「かわいい」「かっこいい」と感じているのは、絵的な印象だけでなく、動きの演出による印象が大きいのかもしれません。

    ここまではアニメーターの仕事とも近いものですが、ゲームはそのキャラを自在に動かせることが最大の魅力。映像を見ているだけでなく、自分自身がキャラと同一化して世界を動き回る! まさに「命を吹き込む」という表現がしっくりきますね。

    さて、コロプラではモーションデザイナーを大募集中です。本記事を読んで興味を持たれた方は、ぜひENTRYを!

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