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    『白猫プロジェクト』のモーションを作ったデザイナー

    1. デザイナー

      伊藤大輝

      大学でモーションキャプチャを使った研究に携わったことから「ヒトの動き」に興味を持ち、卒業後、専門学校でCG制作を学ぶ。当時作った作品は世界最大のCGの祭典「SIGGRAPH(シーグラフ)」のコンクールで入選。卒業後はコンシューマー系のゲーム制作会社に勤務し、数年後コロプラに転職。

    ゲームのキャラクターやモノに動きを与えることで、ゲーム全体をより生き生きと魅力的に見せるのが「モーションデザイナー」です。今回インタビューした伊藤さんは『白猫プロジェクト』や『ドラゴンプロジェクト』などのヒットタイトルの制作に深く携わり、コロプラのゲームをより面白くするための仕掛けをたくさん作ってきました。でも、初めから「モーションデザイナー」という特殊な職種を目指していたのでしょうか? これまでのことと、制作へのこだわりについて聞いてきました。

    キャラクターに命を吹き込むデザイナー

    まず「モーションデザイナー」とは具体的にどんなことをする職種なのかというところからお話しいただけますか。

    簡単に言うと、キャラクターやモノの動きを作るデザイナーのことです。ゲームの中でキャラやモノが動いていれば、それはモーションデザイナーがデザインした動きということになります。たとえばアクションゲームで「ある範囲」を攻撃しているように見せたいとき、どんな動作をすればそこを攻撃しているように見えるのか。そういった動きをプランナーと相談しながらデザインしていきます。

    動きをデザインするとは、面白いですね。

    ゲーム制作の中でのモーションデザインは、その世界に命を吹き込むパートだと言われています。どんなにきれいなビジュアルでも、動きがないとあまり面白くありませんよね。その動きを作ることによってゲームを生き生きとさせたり、生命感を出すのが自分の仕事だと思っています。

    実制作のほかに、プロジェクトのまとめ役もしていますよね。

    コロプラに入社して約3年になりますが、現在はデザイナー職のほか部長職も兼任しています。部内には『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』と『ドラゴンプロジェクト』のチームがあります。

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    小さいころからゲームは好きだったんですか?

    大好きでした。小学校低学年のとき、親戚がファミコンをくれてハマったのがきっかけです。その後すぐにスーパーファミコンが出て、親に禁止されるほど遊びました。暇を見つけて......というより、ゲームのために暇を作っていましたね(笑)。一番プレイしたのは大学時代です。夏休みになると1週間くらい引きこもってゲームをして、久しぶりに外に出ると「世界は眩しいな」なんて思っていました(笑)。

    それはそれは(笑)。ちなみにその大学では「画像工学」を学んでいたとのことですが、なぜその分野を選んだのでしょうか?

    映像の世界に憧れがあったのですが、高校生のときには決めきれなかったんです。完全に映像系の大学に行く選択肢もありましたが、そこに絞れませんでした。それと理数系だったのでプログラミングへの憧れもあり、その間を取れるような分野を探して、画像を工学的に学べる大学に入ったんです。大学4年生のときには当時安価なため普及し始めていたモーションキャプチャの技術を使って、動力学の研究を行っていました。

    なんだか難しそうですが、どんな内容なんですか?

    たとえば、ヒトが荷物を持っているところにもうひとつ荷物を持たせたらどんな動きになるのかを計算するんです。ヒトの動きがどういう原理で生まれているのかといったことを追求するのですが、これは今の仕事でもすごく役立っていますね。

    なるほど。就職活動では、どんな会社を受けたのでしょうか?

    大学4年生のとき、多くの友人はSE(システムエンジニア)になることを希望していたのですが、私はそのままSEになることに疑問があったんです。ゲームや映画が好きということもありましたし、思い切ってCGデザインの専門学校に通い始めました。とはいえ「デザインのことは何も知らない」という感じでしたから、すごく勇気がいりましたけど。

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    世界最大のCGの祭典「SIGGRAPH(シーグラフ)」のコンクールで入選

    ぜんぜん違う領域ですよね。

    小さいころから絵を描いてはいたんですけど、めちゃくちゃ下手なんです(笑)。でもコンピュータでCGを作る場合は、ツールさえ使えれば絵が下手でもそれなりのことができるんです。そこなら勝負ができるかも、と思ったのかもしれません。専門学校時代はずっと制作をしていました。授業が終わったら延々と自分の制作を続けて、夜中に帰宅しても寝るだけ。そしてまた朝から授業を受けて......の繰り返しでした。

    それほど制作が楽しかったということですか?

    本来は下手な絵しか描けないのに、パソコンを使うとそれなりのものが描けることが楽しかったんです。教えてもらった技術を自分なりにガンガン試して、そこでだいぶスキルが身につきましたね。あとYouTubeでいろんな映像を見まくって「自分ならこう作る」と考えながらアイディアのひきだしを増やしていきました。

    当時の作品は世界最大のCGの祭典「SIGGRAPH(シーグラフ)」のコンクールで入選されたそうですね。

    はい。コンクールのアニメ部門で、卒業制作の『Muscular union』という作品が入選しました。専門学校の1年生と2年生のときにそれぞれ作った作品を送ったのですが、選ばれたのは1年生のときの作品でしたね(笑)。いま見ると恥ずかしくて、よくこんなものを作ったなと思うのですが......。

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    (『Muscular union』を見ながら)ムキムキの男たちがちょっとありえないようなパフォーマンスをするという......すごい世界観ですが、コンセプトはどんなものだったんですか?

    面白いことがしたい一心でした。ロサンゼルスの会場で上映されたのですが、再生された瞬間に悲鳴が上がっていましたね(笑)。制作期間は約半年で、そのとき持っているスキルはすべてつぎ込み、一人で作りました。一緒に送った2年生のときの作品はモグラが鳥に憧れるという物語なんですけど、作り込んだ背景や技術的に難しいファー(毛皮)の制作にも挑戦しました。大変でしたが、こうした制作を通してスキルを全般的に学んだことで自信がつきました。

    スマホゲームに可能性を感じ、コロプラへ

    専門学校の卒業後は、コンシューマー系のゲーム制作会社に入られたんですか?

    はい。ハイエンドな映画に憧れていて、とにかく大作の制作に関わりたいという思いがあったのですが......就職のときはなぜか映画にこだわらなかったんですね。「楽しいことができる場所に行こう」と思ったとき、ゲームが選択肢として入ってきました。映像系ばかり考えていたけど、ゲームでもCGを使うじゃん、と。

    そして就職した会社でモーションデザイナーになったんですね。

    そうです。一通りのスキルはありましたが、周りの人と比べたときにモノの動きには自信があったんです。物理的に正しい動きを大学で学んだことも大きかったですね。そこには3年勤めました。

    そして縁があってコロプラに転職したそうですね。

    はい。知人がいて、ちょっと会社見学に行ったらいきなり取締役である森先が現れまして、直々に会社を紹介してくださったんです。ふらっと遊びに来たつもりだったんですけど(笑)、現場を見たらすごく楽しそうだったんです。それから前職ではコンシューマー系のゲームだけでなくスマホゲームも作っていたのですが、スマホゲームはスピード感を持ってバンバン作っていけたので、それが面白くて魅力を感じていたということもあります。

    やはりその二つは違うものなんですか?

    コンテンツにもよりますが、コンシューマー系の開発期間はスマホ向けと比べるとずっと長いです。もちろコンシューマー系のゲームを作り込んでいく魅力もありますが、スマホ向けのゲームはユーザーさまの反応がすぐに返ってくるのが楽しいですね。それに開発規模が小さいので、プロジェクト内での個人の役割が大きいのも刺激的です。トップダウンではなく自己裁量が大きいので、自分で作っている感じが強いんです。

    専門学校で、一人で制作しているときの感覚に近かったのでしょうか。

    そうかもしれません。入社してからしばらくはモーション担当がほかにいなかったので、一人でずっと『白猫』の動きを作っていました。自分でやることを探すという、会社全体の雰囲気も楽しかったですね。

    『白猫』のモーションを作った男なんですね。

    そう言われると照れますが、そうかもしれません(笑)。

    モーションデザインへのこだわり

    モーションを作る際に、こだわっているポイントなどはありますか?

    ユーザーさまに「目」で楽しんでいただくこと、ユーザーさまがプレイしているときの気持ち良さを一番に考えています。よく言われるのが「タメツメ(溜め詰め)」というものなんですが、たとえば高速でパンチをしているシーンで単純に手を速く動かしても、パンチしている感じが出ないんです。そこで、たとえば1秒30コマのうち24コマをパンチするまでの動き(タメ)にして、残り6コマだけパンチする動き(ツメ)にすると「高速感」が演出できる......みたいな。

    ああ、なんとなくわかるような気がします。

    たとえば走るときに後ろに跳ね上げる足も実際にはそれほど高く上がっていませんが、誇張することでより走っている感じを出すことができます。現実にはない誇張表現や演出をすることで、よりユーザーさまに伝わりやすい、気持ちの良いモーションになります。こうした「目」の楽しみを作れることが、モーションデザインの醍醐味だと思います。

    では続いて、クリエイターとしてのこだわりではなく、メンバーをまとめる部長として気をつけているポイントなどはありますか?

    これは私のポリシーでもあるのですが、すべての人に対等に、丁寧に話を聞くということを心がけています。自分も「とにかくこれを作って!」と単純に指示されるようなことは好きではありませんし、そのような指示の出し方では本当にいいものは作れないのではないかと思うんです。自分の考えや希望を押し付けるのではなくて、制作するメンバーの意見もしっかりと汲み取りながらお互いに納得がいくまで話し合いながら進めたいと、常に思っています。

    大学時代は引きこもってゲーム三昧だったのに......すごい進化ですね。

    もともと自分は人付き合いがあまり得意ではないんですけどね(笑)。自分一人の意見だけで作るよりも、メンバーと意見を交わしながら作ったほうが確実に良いものができますから。

    なるほど。では最後に、今後の展望を聞かせてください。

    まずは、スマホゲームをさらに盛り上げていきたいと思っています。それから最近はVRの発展も著しいように、もとは遊びとは関係がなかった技術などもどんどん遊びにしていける時代になっていますよね。だからそうした新しい技術も組み入れながら、最大の楽しみを作っていきたいと考えています。

    学生時代に「SIGGRAPH」のコンクールで入賞したり、『白猫』や『ドラプロ』のモーションを手がけたりしてきた伊藤さんは常にニコニコしていて、なんでも丁寧に説明してくれました。多くのメンバーとゲームを作るクリエイターとして、部長として、スムーズに仕事を進めるための気遣いを常に忘れないんですね。
    ゲームの世界に生命感あふれる動きを注ぎ込み、プレイヤーの目を楽しませる伊藤さんの挑戦はずっと続きます!

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