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『アリス・ギア・アイギス』インタビュー クリエイター篇

今冬配信予定の新作アプリ『アリス・ギア・アイギス』。さて、今回はその配信前に、本作の関係者にインタビューを行いました。『アリス・ギア・アイギス』に興味を持ってくださっている方はもちろん、クリエイターの皆さまのファンの方もぜひご一読ください。

今回掲載するインタビューは、クリエイター篇です。『アリス・ギア・アイギス』でキャラクターデザイナーを務める、ゲームで、アニメーションで、そしてそれぞれの分野で活躍する島田フミカネさん海老川兼武さん柳瀬敬之さん。そして『アリス・ギア・アイギス』を制作する、株式会社ピラミッドの柏木准一さんがお話を聞かせてくれました。それではさっそく、本作のデザインに迫っていきましょう。

プロフィール

島田フミカネ

イラストレーター。
アニメーションやゲームをはじめ、立体系商品のキャラクター原案など、数多くのキャラクターデザイン(原案)を担当。
その作品の多くに機械や兵器を着用した少女が登場しており、「メカ少女」ブームの火付け役としても広く認知されている。

海老川兼武

メカニックデザイナー。
主にSFロボットアニメなど多くの作品で、メカニックデザインを担当。 立体系商品の監修、デザインなども行う。

柳瀬敬之

メカニックデザイナー。
ロボットゲーム&アニメなど数多くの作品で、メカニックデザインを担当。
ゲーム、アニメーション、ホビーなど多ジャンルで活躍中。

柏木准一

株式会社ピラミッド代表取締役社長。
ドッタ―から企画・ディレクションを経て、現在も現場の陣頭指揮を執っている。
株式会社ピラミッドは、数多くのゲームの企画・開発・運営、シナリオ及びグラフィック制作を担当。手がけた作品は、ゲーム専門雑誌などで数多くの賞を受賞。
2010年にスマートフォンのゲーム市場に参入。
現在、コロプラグループの一員としてスマートフォン向けの新規プロジェクトを立ち上げ中。

始まりは「やれるものなら一緒にやりたい(柏木)」から

――『アリス・ギア・アイギス』の企画には、皆さんどういった形でかかわったのでしょうか。

柏木:僕たちピラミッドと島田さん、海老川さん、柳瀬さんは一緒に何本か仕事をしていたんです。仕事の前から個人的にお付き合いもあって、やれるものなら一緒にやりたいなと。今回、新しいメカのゲームがやれるかも、という話になったとき、1番最初に相談しました。最初は本当に「たられば」で、できたらちょっとやりたいよね、という話から。

――ピラミッドさんとデザイナーの皆さんの長いお付き合いがあったわけですね。

島田:もともと僕、海老川さん、柳瀬さん、それぞれが柏木さんとは個人的なお付き合いが長かったんです。今回はもちろんコロプラさんがいらっしゃいますが、これまでのプロジェクトと違って基本的にピラミッドさんと直でやりとりをさせてもらってます。そういった体制づくりができる、「気心の知れた人たちで、最初から一緒にやれるよ」とお話をいただいたので、もう全然やるのはオッケーでした。

――海老川さん、柳瀬さんもピラミッドさんの様々なタイトルに今まで関わってらっしゃいます。

柳瀬:長くご一緒してますが、島田さんと同じく直接やらせてもらうのは今回が初めてです。最初は「いわゆるボスのデザインをお願いします」というお話だったんですが、「キャラクターもお願いします」という話に変わっていました(笑)。

海老川:僕は「やるんだったら(キャラクターも)やりたいな」とはこっそり伝えてた気もします。普段あまり、キャラクターを描く仕事はやっていなかったので……。

柳瀬:キャラクターデザインはほぼ初めてじゃない?

海老川:そうですね。100パーセント初めてです。

島田:これだけ長いキャリアで、初めて!

柏木:これはお願いしたほうが、我々も絶対にテンション上がるな、という目算はありました。

海老川:初めてなんですが、それこそ島田さん柳瀬さんという、メカ+美少女ではまさにトップクラスの人たちがいて、しかも全面的に監修をしてくれる。これはもう大船に乗った気持ちで行こう。いざとなったら、島田さんのせいにしよう、と (笑)。これでようやくプロフィールにキャラクターデザイナーと書いても間違いじゃないなって(笑)。

「普段やっていることありき(島田)」の骨太なデザイン

――今回『アリス・ギア・アイギス』のデザインの、骨子はなんなのでしょう。

島田:いままでのチームと普段やっている事ありきで進めさせてもらったので、改めて「何かこういうテーマで」みたいなものはほとんどなかったです。ゲーム的に必要だから、こういうラインやこんなボリュームで、というオファーはありました。

柏木:『アリス・ギア・アイギス』の専用ギアって、アクトレスに合わせて作られたものなんです。女の子(アクトレス)たちが自分の戦闘スーツを作るときに、その特徴や、似てる動物だとか、性格とか好きなものが反映されるだろうということで、モチーフやプロフィールをお渡ししてます。最初はウチでモック(試作品)を作ったりもしたんですが、島田さんに楓ちゃん(吾妻楓)をお願いしてからは、ひとまずモックを忘れていただいて、すべてお任せしました。

島田:ギアのパーツなどを、ゲームの中でどう表現するかはピラミッドさんと密にやりとりしました。でもキャラクターに関しては、ほぼ最初から一発でしたね。ギアに関してはゲーム的な性能との兼ね合いで書き直したところもありますが、大まかなラインは最初からありき、でした。

柏木:女の子に関しては最初に僕らが作ったモックから島田さんの「プロポーションをもっとこうしてください」というオーダーを反映して、ゲーム内用の3Dモデルとして、島田さんが考えた、理想の3D島田バランス素体が完成しています。

モックをもとに島田フミカネさんがブラッシュアップしたデザイン。
キャラクターが形作られていく過程の、重要な画稿です。

――そのモチーフやプロフィールを、どう解体して盛り込んでいくのでしょう。

柏木:モチーフを盛り込むうえで、いわゆる“擬人化”は、いちジャンルになってますけど、それと違うものを作りたいなと。

柳瀬:動物のモチーフは設定にありましたよね。

海老川:必ず全部、動物のイメージが入ってるんですよね。

――モチーフを、擬人化ではないかたちで昇華していくんですか。

柳瀬:たとえば、怜ちゃん(小鳥遊怜)の頭飾りみたいに翼そのものズバリの形にしてみたり、夜露(比良坂夜露)は狼ですね、耳っぽい感じだとか。

海老川:僕は全部のパートに入れていますね。髪型から服から、それこそギアまで、どこかに混ぜ込むような感じでやっています。

柏木:島田さんはそういう要素を分解して、わからないように、でもわかるように、バランスをとって入れていてくれるんです。

海老川:そこはあらかじめ言われていましたね。あまり露骨にはならないように、本当に狼ではなく、狼というのが分からないような混ぜ方で、と。

夜露と怜のデザイン。確かに言われてみればモチーフが透けて見えます。

島田:シルエットのテイストというか、言われたら「まぁ確かに」というバランスですね。例にあがった動物というモチーフは、やっぱり説明しなくてもイメージをみんなが共有できるんです。犬だったり、猫だったり。キャラクターのシルエットや、ボリュームのまとまり、装備品のイメージなど、特に言葉を費やさなくても、なんとなく共通の意識が持てる。この子は象がモチーフです、だからこんなに装備が重量級。鶴だとかタカだから、とげとげしくて羽が生えてる。みたいな。モチーフは説明しなくても、デザイナーはもちろんユーザーとの間でイメージが共有できるというのがすごく便利なんですね。

柏木:島田さんのデザイン論は、こうして完成したデザインがあると、「なるほど、確かに」と思いますが、実際最初にピラミッドから出したモチーフを島田さんが聞いたときは「また不思議なことを言い始めたぞ」と思われたと思います (笑)。ギアやキャラクターのモチーフに関してはすべてを本作で説明することはなくて、完成品がすべてです。夜露や怜も、もちろん動物以外にほかのモチーフがあります。デザイナーさんにお願いした装備は、それらを盛り込んだ量産品とは異なるスペシャルな特注品なので、ぜひゲーム内でその贅沢さを楽しんでいただければと。

「頼りになるビューアー(島田)」が作り出したゲーム内ビジュアル

――そのゲーム内の見栄えはデザイナーとしてどう注力されましたか?

島田:ゲーム内で、例えば武器としてビームなのか、ミサイルなのか、マシンガンなのかというのは決まっているので、そう見えるように。あと普段の武器が派手すぎると、スペシャルな必殺技が映えなくてもったいない……とか、そういった表現の幅のなかでバランスをとる部分はゲームの仕様の中でデザインしていきました。

柏木:仕様とデザインの話では、3Dゲームであるため後ろからのアングルが多くなるので、お尻あたりが少し見えたほうがいいのかな、とかもありました。

島田:あまりにも大きいパーツをつけると、背中から見たときに人体が全く見えなくなっちゃうので、そこはさすがに気をつかっています。中にきちんと女の子がいる、ということが見えないとダメだなと。

柏木:最終的にお尻のあたりには装備がつきましたが、ぐるっとカメラが回ると、ギアのノズルやスラスターが見える、というカッコよさがあります。ギミック的には大正解でした。

島田:カメラを回せるということでは、ゲーム内でも閲覧できる専用のビューアーが強力ですね。ビューアーの完成度も含めて、初期のデザイン以降は、開発現場のレスポンスが良く、3Dモデル製作もこなれてきて、頼りにしています。なので、僕の担当した何人かでも、途中からは割と無茶な要求になりました。ギアの構造や、バランスなどもゲームの現場がビューアー込みでしっかり作ってくれるから大丈夫、描いたデザインがよくわかりませんとか、作れません、みたいなトラブルはないだろうと。

柏木さん曰く、「開発の初期からこのかたちだった」という高い完成度のビューアー。
もちろんゲーム内でもこのビューアーで閲覧できます。

「キャッチボールをかなり早くやりとりして(柳瀬)」デザインは完成していった

――この島田さんのデザインを受けて、柳瀬さん、海老川さんの作業が進んだのでしょうか?

海老川:作業自体はほぼ同時にスタートしていましたね。

柳瀬:ピラミッドさんからこういう女の子で、こういうモチーフで、こういうプロフィールです、というのがあったので、それを見てデザインしました。それで、キャラクター部分は島田さんと、ピラミッドさんに監修してもらっています。

海老川:デザインをするうえでの約束事、たとえば噴射口の上には発光パーツがつくだとか、そういった基本的な決め事は島田さんに最初に作ってもらいました。

――担当するキャラクターはどのように割り振られたんですか?

柏木:特に決まってはないんですが、最終的には主人公を島田さんがやって、クール枠を柳瀬さんがやって、重量級の変形するやつを海老川さんがやる、みたいな(笑)。

柳瀬:最後だけカテゴリが違う!

海老川:キャラじゃなくなってる……(笑)

――柳瀬さんはデザインするうえで、苦労された部分ってどこでしょうか。

柳瀬:ギミック的な部分がどれぐらいゲームで表現されるか分からなかったので、まずは最初にデザインしてみてピラミッドさんの方で確認していただいて……先ほどのゲーム的な仕様の部分ですね。あとパーツごとのボリューム感です。大きさの設定をいくつか用意して、これも模索しました。このサイズはこのくらいでいいですか、とか。あとは頭のパーツの付け方とかもいろいろ考えさせてもらって……。怜ちゃん(小鳥遊怜)はすごい書き直した記憶があります(笑)。

――いろいろな試行錯誤があるんですね。

柳瀬:決定稿とは全然形状も違いますけど、コンセプトはそんなに変わってないんです。デザインを出したらピラミッドさんがすぐモデルで出してくれるんで、それに対してこうしてください、というキャッチボールをかなり早くやりとりして。

柏木:昔と違って、デザイナーさんが3Dモデルに直接修正を書き込んでいただけるようになったので、それは便利になりましたよね。

柳瀬:キャラクターに関しては島田さんが監修してもらって……この辺は島田さんに手を入れてもらったラフですね。

柳瀬さんによるアンサーイラスト。こうしてキャラクターが完成に近づきます。

柳瀬:これが島田さんに出したイラストです。「こんな感じ、どうですか?」というデザインですね。頭飾りのモチーフの表現をやり取りさせていただいて、完成に近づけました。怜ちゃんはそんな感じで、何度も書き直して苦労したんですけど、それ以降はそんなに……。

島田:各自、最初の担当キャラクターはやっぱりちょっと大変でした。

「100パーセント初めて(海老川)」キャラクターデザイナー・海老川兼武デビュー作

――海老川さんの最初の担当キャラクターは誰だったのでしょう。

海老川:リンちゃん(日向リン)が最初でした。キャラクターの部分は、やはり最初にこちらで書いたものを島田さんが修正してくれて、そこからさらに「最終的にはやはり自分の絵にしたいな」と描き直しています。島田さんの修正ラフがあるから全然やりやすかったですし。ただ、僕が担当しているのは、装備がやたらでかいのが多くて……(笑)。

柳瀬:とにかくでかい(笑)。キャラクターに対して、メカ部分が多くて。かなり大型のロボットみたいな。

海老川:スーツというかアーマー、ボリューム系担当です(笑)。

3Dで作られた武装に、ペイントソフトで直接ディテールを書き込んで作業が進みます。
それにしても、間違いなく変形しています。

海老川:こちらで最初にラフでギミックを考案してから、ピラミッドさんに大ラフのモデルを作って貰い可能かどうか検証して貰ってから、それをベースに再度私の方でディテールを詰めていく手順で作業を進めさせて頂きました。これはギミック検証ですが、最終的にもこういう感じに仕上がっています。

柏木:あと海老川さんは変形するのがすごく多くてですね。他のやつは可動なんですけど、海老川さんのは変形。

海老川:発注書には変形しますって書いてあるだけですけど、やるとなるとやはり大変です。ほかの人に聞いてみると、「あれ、みんな変形って書いてないの? 僕だけ!?」って(笑)。

柏木:もう海老川さんの変形メカは、現場が見たいんじゃなくて、世の中の人が見たい、欲しいだろうということで、是非にと。変形と言うよりはギミックに近いんですが。

海老川:そんなメカの仕事でもあるんですけど、気を使うところもありました。やはりメカ+美少女なので、キャラクターのシルエットだとかが絡んでくると今までやってきたメカオンリーのデザインとはちょっと違うんだろうなと。

柳瀬:僕もやっぱり最初はキャラクターに対するバランスの取り方とか模索していたので、その辺はお互い島田さんに直接聞いてましたね。

島田:リンは足を最初のデザインより大きくしたりしたんだよね。

海老川:足は大きく伸びやかになりました。あとはモデルでの位置修正は細かくやりましたね。実際に画面で見て、このパーツをもう少し下げてくださいとか、具体的に。このシルエットで見てほしい、というオーダーを何度か出しました。

島田:あと、シタラではフルリセットもあったよね。インド風テイストをどう取り入れていくか、と言うのがなかなか難しくて。

海老川:シタラはすごい苦労しましたね。デザイン的な話ですけれど、インド文化のテイストがSFのメカとどうにも、どういう落としどころにしていいのかというのがちょっと自分でも悩んでいて。島田さんから来た修正でも2つパターンがあったり、そこから折衷案で自分の案を混ぜ込んで最終デザインになりました。

特に苦労したというシタラ。その最終稿がこちらです。
半透明のヴェールをまとったデザイン案もあったとか。

柏木:かなりいいデザインに仕上がっています。ゲーム内では巨大なSP武器も、開発がバランスに悩みながら実装してくれました。

「やっぱり、“なればこそ”(島田)」で作られたチームワーク

――『アリス・ギア・アイギス』のデザインワークス、島田さんの監修はどのように行っているのでしょうか。

島田:基本的にはデザイナーさんの個性を優先していただいてるので、僕から自分のラインに合わせてください、ということはないんです。ただ、ジャンルとしてのメカ+美少女って、メカニックだけを描く、また美少女だけを描くっていうのとまたちょっと脳みその使い方が違っていて。バトル用スーツのデザインは果たしてメカか? コスチュームか? というグラデーションがあって、今回はこういう方向性のほうがいいんじゃないか、とか。海老川さんは基本的にメカニック専業の方なので、そういった部分で最初ちょっと悩まれていたので、僕が餅は餅屋で「これくらいの間がいいんじゃない?」という話をしたり。

海老川:まったくもって餅は餅屋で、「なるほど! さすがです!」みたいに聞いてました。

島田:メカに関しては海老川さんには釈迦に説法で、言えることはないんです。ただ、美少女コンテンツに関しては「まだまだ言わせてもらう」と(笑)。 でも最終的に僕がもう設定画まで描きます、ではなくて、こういう方向性はどうですか、と出した中で、最終的な判断をデザイナーさん個人にやっていただく……みたいな感じで進んでいます。

柳瀬:そういう意味では夜露ちゃんだけ、例外的にキャラクターに関して島田さんの手が大きく入ってます。作中での扱いがどんどん大きくなったんで、もう島田さんにがっつり描いてもらおうということになって。これに関しては最終的な設定画の絵も、キャラクター部分は島田さんが描かれています。個人的には、やっぱりキャラクター全般で苦労した思い出が多いですね(笑)。

夜露の最終稿。物語の中心になるキャラクターだけに、例外的に島田さんが手を加えられたそうです。

海老川:僕はキャラクターの部分を描くのが楽しかったですね。

柳瀬:僕も実は久しぶりなんですよね。

海老川:それこそ「自分1人でキャラクターデザインを」というのは難しかったと思うんですが、島田さんがチェックしてくれるなら心強い!伸び伸びキャラクターが描けるぞと(笑)。

柳瀬:僕のほうだと、怜ちゃんのインナースーツは島田さんがアイデアを出してくれているんです。こういう方がモチーフに合っているんじゃないのか、と。じゃあそれでいきましょうとなって。あと、文嘉(百科文嘉)の髪の部分も島田さんが開発とすごいやりとりをしていただいたり。すごいショートカットバージョンがあったり。

島田:文嘉はチームでのキャラクター同士のバランスがあるので。ゲームの中でのキャラクターの位置づけが変わったりすると、チームでの並びざまや、ほかのキャラクターと変えたほうがいい部分、などをトータルのコーディネートで対応しなければならなくて……。せっかくチームで並んでいるのに、同じような外見のキャラクターが並んでいてはもったいないので。

――作業の内容をお聞きしていると、とても贅沢なチームワークに聞こえます。

島田:やっぱり長いあいだ一緒にいろいろやっている、経験を積んでいる部分が多かったからですかね。他人のデザインに赤ペンを入れるのって、入れるほうもどうしても緊張します(笑)。全く知らない人のデザインに赤ペンを入れるのは、なかなか、やっぱり……。「赤ペンを入れていいのかな……」みたいな部分もありますし、清書して直すにしてもその人の手間になってしまう。今回は、付き合いの長いお二人相手なので、そこでも割と遠慮なく、メールどころか直のやり取りで「お前はまだわかっちゃいねぇ!」みたいなことを言い合いながら作業しています。

海老川:島田さんの、その赤ペンを入れるのをうしろから眺めて、「なるほどなるほど」って(笑)。

柳瀬:「なるほど」って(笑)。

島田:で、「見ておけ、こうだぞ!」って(笑)。それってやっぱり、一緒にやってる期間が長くないとちょっと気軽には言えないので。やっぱり“なればこそ”みたいな部分ではありますよね。

海老川:島田さんからの修正が多ければ多いほど、安心はしましたね。間違いなくクオリティが上がっているから。逆に島田さんが「いいんじゃないですか」と、スッと通してくれると不安になる(笑)。

柳瀬:島田さん、ちゃんと見てくれてるんだろうか、という不安が出てくるんですね(笑)。




――最後に、これから『アリス・ギア・アイギス』を遊ぶプレイヤーの皆さんにメッセージをお願いします。

島田:手前味噌ではありますが、いわゆる「メカ+美少女」ものでは、キャラクターデザインのバリエーション規模やボリュームも含めて、なかなか見られない作品になっていると思います。ぜひ皆さん好きなキャラクターや装備を見つけて楽しんでください。

柳瀬:スマホのアプリで、キャラクターを3Dで表現しているなかでは、相当レベルが高いと思っております。しかも開発を続いていけば、どんどんレベル上がっていくので、続けてほしいですね。そしてビューアーが本当に素敵で、眺めていて飽きません。ぜひいろんなキャラクターを見てほしいです。

海老川:内容もそうですけど、自分も悩みながらも楽しんで作業してるので、ボリューミーなメカとキャラクターをいっぱい見てほしいなと。ゲームとしても個人的にすごく楽しみにしていますので、多分僕も普通に遊ぶと思います。ぜひ一緒に遊びましょう。

柳瀬:僕も普通に遊びます。

柏木:ロボゲーやSFゲーをずっと遊んでいる方に届けたいという思いで作っていますが、この百戦錬磨のデザイナーの皆さん方にも認めてもらっていますので、これはもう届けたい人には届くんじゃないのかな、と。どうぞよろしくお願いいたします。

――本日はありがとうございました!

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